昨日、夙川公園を散歩中にみっけた小さな花。桜の木の根っこに寄り添うように生えていた。スマホを近づけ何枚もシャッターを切ったがなかなかピントが合わない。いま、NHKの朝ドラ「らんまん」で神木隆之介さん演じる槙野万太郎の草花への愛の仕草を連想した。
花にも興味があるが、誰の目にも留まらない雑草に咲く小さな花も好きである。可愛らしく、なによりも逞しいのが魅力的。雑草に興味を覚えたのは、煎茶の稽古をしていたころ「本草学」なるものに触れたことから。耳にしたことのない学問に躊躇しながらも興味を覚えたことを記憶している。
ひと言でいうなら「中国古来の植物を中心とする薬物学」。中国500年ころ陶弘景がまとめた「神農本草」という文献が始まりのようである。それを明の李時珍が「本草綱目」という題目で集大成され編纂されたもの。
日本には平安時代に伝わり、江戸時代に入り日本も草や動物、鉱物などからの薬物研究が盛んになったようである。
その時の稽古では角がある男鹿が描かれたお軸が掛けてあったことを記憶している。鹿の画の上に書かれてあった讃(文字)は鹿の角の解説文だった。鹿の角は不老長寿の薬としては周知の事実である。この解説が、明の時代の「本草綱目」に記されてあるという。
また、草花に興味を持ち始めた頃にあるイベントに参加した記憶がある。公園などに群生する食べられる草花を採取しフライパンで炒め食べるという内容のものだった。この時代に、と思ったが、さまざまな時代を経て今がある。そして、それらが肥やしになり未来につながると思えるようになったのは最近のことである。
リポート&写真/ 渡邉雄二
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