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柳広司著「風神雷神」の絶妙な結び

2020-07-02 15:44:37 | 雑感

先日、柳広司著の「風神雷神」2巻を読み終えた。江戸時代初期の画家 俵屋宗達物語である。
京都で名の知れた扇屋の後継者として扇絵を描き続けていく中で、二人の人物と深く関わることで画家として大成をおさめた。その一人が刀剣家である書家の本阿弥光悦、そしてもう一人が公家 烏丸光広である。彼らの影響で宗達の絵は熟成されていった。

俵屋宗達の絵は国宝、重文に指定されている作品が数々ある。その中で宗達の代表作の一つがご存知、建仁寺所蔵で京都国立博物館寄託の「風神雷神図屏風」である。



この本の結びが実に絶妙だった。読み終え暫し余韻を楽しむことができた。
その終わりの文章を転載する。
宗達が心を動かした3人の女性の、風神雷神図屏風を前にしての会話である。
本阿弥光悦の娘 冴が「この鬼ら、なんや楽しそうやなぁ」
「よう見たら、笑とるわ」と、宗達の女房のみつ。
「遊んどるようにしか見えへん」と出雲の阿国が苦笑まじりに呟く。
(3人とも)笑うことによって宗達からの呪縛が解けたのだろう。


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