令和5年、7月1日。二階囃子といわれる山鉾町の会所二階などでお囃子の稽古がスタート、京のまちに祇園囃子(ばやし)が響きはじめる。その音が京都の夏の風物詩「祇園祭」を告げる。31日までの一ヵ月間祭り行事が執り行われる。
祇園祭といえば、我われになじみがある宵山。お昼ごろから夜遅くまで屋台露店が烏丸通・室町通・新町通などに並ぶ。そして夕方から山鉾の提灯が灯され、囃子方がある山鉾で祇園囃子が響く。夕方から四条通・烏丸通などが歩行者天国になり全国にその賑わいが映像で紹介される。
そして17日(月)は、いよいよ祇園祭前祭の本番である「山鉾巡行」。神の使いとされる稚児をのせた長刀鉾が午前9時に四条烏丸を出発、長刀鉾を先頭に23基の山鉾が四条通・河原町通・御池通を巡行。巡行が始まってすぐの四条麩屋町で先頭の長刀鉾の稚児による注連縄切りという行事が行われる。山鉾巡行の見どころの一つである。
この注連縄切りは境界線の意味を持ち、「神域への結界を解き放つ」役割がある行事である。この行事によって結界は解かれ、山鉾は人間の領域から神の領域(八坂神社)へと進む。注連縄切りを行う際は太刀を用いるので当然小さな男の子だけでは危険なので大人が稚児の後ろで二人羽織のようにサポートする。
今年は国内外からも多くの観光客がこの日にあわせ参集する。日本の古式ゆかしい伝統を昔のままで伝え継ぐ祭り、その最高峰である「祇園祭」がはじまった。
(第二弾につづく)
稚児による注連縄切り
リポート&写真/ 渡邉雄二 注連縄切りの写真/ フリー画像より転載
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