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藁葺き屋根の農家の囲炉裏のある部屋。床も壁も天井も煤で真っ黒。囲炉裏には薪が燃えて、鉄瓶の湯の湧く音が聞こえている。
櫛刺しの山女(やまめ)が焙られ、いい匂いが漂っている。一升瓶がドンと置かれ、湯呑み酒・・・・・
そんなこと一言も書いてない、などと言うなかれ。俳句鑑賞の面白みは、こういうイメージが膨らむところにあるのだから。
今年の作柄・農業戸別所得補償制度など政治の話・管総理や民主党の話なども。
夜も更けて、松風に耳を澄ませ、話もぽつりぽつりと途絶えがち。
稲刈りが終って安堵している二人なのだ。