一日轆轤(ろくろ)の前に前かがみで座り、茶碗を作る。今日は、仕事がはかどった分、腰が痛い。家に帰っても痛い。風呂に入っても痛い。今日は、寝ていても痛い。起きても痛い。
どうにもならなくて、とうとう入院する羽目になった。病名は椎間板ヘルニア。腰椎と腰椎の間にある軟骨がとび出して、神経を圧迫しているのだそうである。
気が付いた時は手遅れ、取り返しがつかない、ということがあるのですぞ。ご注意あれ。
手術はせずに、なんとか退院したものの、完治した訳ではない。使い過ぎて壊れかけた腰を、辛うじて騙し騙し使っているだけだ。
それ以来私は、仕事を一生懸命やることは止めた。死なない程度に、食える程度にやっていけばいい。と思うようになった。
そして今、心から「腰痛さん、有難う」と言いたい。それは、大きな呪縛から解放されたからである。
仕事も、お金も、食事も、腹6分で十分なのである。