人の死を間近に接した初めての経験は、母だった。クモ膜下出血で緊急入院し、わずか一週間で旅立ってしまった。
母を一言で言えば、情が深く、かつ理論的でもあった。
今、こうして振り返ってみると、母から学んだ一番大事なことは、
「何かものごとをするとき、手段をどうするか、段取りをどうするか、結果をどう予測するか、をよく考えてから行動しなさい」ということだろうか。
だから、よくよく考えてみると、今の私の行動を規制しているのは、確かに母なのだ。
さて、母を亡くしてまもなく、私は俳句を始めた。この句は、その頃の初心の句である。
句は拙くとも、深く心に刻まれている。