一韶の俳句ブログ

俳句を詠うのは自然・私・家族・夢や希望・社会など。読む時はどんな解釈が浮かぶか読み手の経験や生活によって様々

44     麦わら帽かぶりて夫は少年に   徳子

2010年10月24日 | 

 (むぎわらぼう かぶりてつまは しょうねんに)

 

近ごろ、麦わら帽を被る人をほとんど見かけなくなってしまった。そのうち、麦畑も麦飯も麦茶も日本からなくなってしまうかと心配だ。日本の文化や伝統が、欧米のそれに取って代わりつつある。

 

さて、この作者の夫は、庭仕事か草取りをしているのだろう。そして、麦わら帽子を被ったら少年のようになった、というのだ。どんなふうに少年ぽかったか、まで想像するのは止めておくが、きっと新婚ほやほやの頃を懐かしがっているのではないだろうか、と推察した。

 

 ところが、作者の話では、「今のことですよ」とのこと。それならば尚更のこと、今なお仲睦まじい夫婦関係が想像されて、私たち読者を微笑ませてくれる、とてもハッピーな俳句だ。

 

コメント
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