(むぎわらぼう かぶりてつまは しょうねんに)
近ごろ、麦わら帽を被る人をほとんど見かけなくなってしまった。そのうち、麦畑も麦飯も麦茶も日本からなくなってしまうかと心配だ。日本の文化や伝統が、欧米のそれに取って代わりつつある。
さて、この作者の夫は、庭仕事か草取りをしているのだろう。そして、麦わら帽子を被ったら少年のようになった、というのだ。どんなふうに少年ぽかったか、まで想像するのは止めておくが、きっと新婚ほやほやの頃を懐かしがっているのではないだろうか、と推察した。
ところが、作者の話では、「今のことですよ」とのこと。それならば尚更のこと、今なお仲睦まじい夫婦関係が想像されて、私たち読者を微笑ませてくれる、とてもハッピーな俳句だ。