一韶の俳句ブログ

俳句を詠うのは自然・私・家族・夢や希望・社会など。読む時はどんな解釈が浮かぶか読み手の経験や生活によって様々

43   俳句一服   月暦と太陽暦

2010年10月23日 | つぶやき

 江戸時代まで1,000年以上にわたり、日本の暦は、月の運行に基づいた「月暦」を使っていた。

「月暦」は、正式には、太陰太陽暦という。旧暦ともいう。

 

明治開化後、西洋の暦「太陽暦」を取り入れた。これが、私達が今使っている、カレンダーの暦だ。グレゴリオ暦とも、新暦ともいう。

 

ここで大事なことは、旧暦と新暦にほぼひと月の誤差があり、旧暦が遅れていること。

例えば、今日、新暦の10月23日は、旧暦ではまだ9月16日、十六夜(いざよい)である。一月と七日遅れている。

これは、新旧が併記されている暦があれば、簡単に確認できる。

 

俳句を始めて気が付いたのだが、旧暦から新暦に変わって、うまくないことが山ほどあるのだ。

 

例をあげて説明してみよう。

 

  正月

新暦の場合、正月のあとに一番寒い大寒(1月23日ころ)がやってくる。

しかし、旧暦の場合、一ト月遅れだから、立春の頃が正月だ。年賀状に新春とか初春と書くのも、旧暦だからこそなのである。

中国など東南アジアでは、旧正月を大事にしている国が多い。

 

  七草(七種)

1月7日に、春の七草を食べる風習があるが、これもあくまで旧暦でのこと。

新暦の正月では、寒くて七草は生えていない。

 

  西行忌は、旧暦の2月16日。

旧暦の2月16日は、新暦では3月末、つまり桜の咲く頃である。

 

願わくば花のもとにて春死なむその如月の望月のころ

 

と西行は詠っている。

如月(2月)の満月の頃、15日に死にたいと言っている。つまり、お釈迦さまが亡くなった日だ。

 

西行は、断食をして、2月15日に死のう、と計画し、一日違いで死んだのではないか、と言われている所以である。


 

というわけで、上げ出したら切りがないので、このへんで止めておくが、

旧暦の載っている暦を手に入れて、月の満ち欠けなどを毎日チェックしてほしいものだ。

 

日本の伝統的な様々な行事が、旧暦で行われることを、私は切に願う。

 

コメント
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