金木犀の花は目立たない小花だが、たとえ小木といえどもその香りは強く、作者の言わんとするのは勿論その香りのこと。
芳香剤としても使われるくらいだから、とても人に好まれている。三島大社には樹齢数百年の金木犀があり、その大木が満開になると、一里四方に香りが及ぶという。
しかし、よい香りとは言っても、度が過ぎれば不快感を抱くかもしれない。体調が悪かったり神経過敏になれば尚更である。
それにしても、どんな草花も人の都合の良いように「ほどほどに」咲くことはないのだ。あるとしても、それは単なる偶然に過ぎない。