一韶の俳句ブログ

俳句を詠うのは自然・私・家族・夢や希望・社会など。読む時はどんな解釈が浮かぶか読み手の経験や生活によって様々

58    菊の香や月夜ながらに冬に入る   子規

2010年11月07日 | 

2010117日、いよいよ今日は、立冬である。

暦の上では、今日から冬である。「冬に入る」「冬来たる」も同じ。

 

『はてさて、それにしても子規さん、秋の季語、「菊」と「月」そして冬の季語「冬に入る」とよく頑張って三つも季語を入れましたなあ。』

 

『季重ねは駄目だ、とうるさく云う石頭が沢山おるので、わざと作ったのよ。』

 

『どこから仕入れてくるのか知りませんが、俳句を始めてしばらくすると、大概の者がそんなことを言い出しますなあ。私は一度もそんなこと云わないんですが』

 

『季重ねは駄目、と決めつける発想が、月並みなのじゃ』

 

『おっと、出ましたね。毎月の句会に出る決まり切った俳句のことを月並みと云うんですよね』

 

『そうじゃ、月並みを言い出したのは、このわし。いわゆるつまらん俳句が月並み俳句。先輩に教わった固定観念を打破せんならん』

 

『そう思ってこの句を読むと、なかなかですなあ。「ながら」に菊の香りも月夜も秋の季語だが、という意味が籠められていますね。』

 

『分かったようだな。菊も月もあり寒くもなくまだまだ秋の風情だが、暦の上では今日から冬なのだ、そういうことさ』

 

『よく分かりました。しかし、今日は旧暦の102日で月夜と言えるような月は出ていませんが・・・』

『立冬に満月のこともあるし、新月のこともある』

『太陰太陽暦ですから、そうなるんですね、忘れてました』



 

コメント
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