前回の子規の句と同様、この句、季語が三つもある。
又、名詞だけで作った句でもある。俳句の基本中の基本と言えるだろう。
つまり、副詞、形容詞よりも動詞、動詞よりも名詞、ということを心掛けるといい。
ちなみに作者は画家だから、こういう視覚的で鮮明な映像の句を作ることができたのだ、と思う。
私のイメージでは、日本の典型的な田園の中に、一軒の藁葺きの農家がある。背景には冬の山が連なり、その上には澄み切った青空がある。
息子と嫁は畑へ、孫たちは学校へ
農家の縁側で、婆さんが日向ぼっこだ。縫物をしているのかな、それとも居眠りをしているのかな。
軒には、大根と干し柿が簾に吊るされている。これらも日向ぼっこをしている。
童話の絵に出てきそうな、典型的な日本の田園風景。