一韶の俳句ブログ

俳句を詠うのは自然・私・家族・夢や希望・社会など。読む時はどんな解釈が浮かぶか読み手の経験や生活によって様々

59    日向ぼこ大根干柿婆一人    風月

2010年11月08日 | 

前回の子規の句と同様、この句、季語が三つもある。 

又、名詞だけで作った句でもある。俳句の基本中の基本と言えるだろう。

つまり、副詞、形容詞よりも動詞、動詞よりも名詞、ということを心掛けるといい。 

ちなみに作者は画家だから、こういう視覚的で鮮明な映像の句を作ることができたのだ、と思う。

 

私のイメージでは、日本の典型的な田園の中に、一軒の藁葺きの農家がある。背景には冬の山が連なり、その上には澄み切った青空がある。 

息子と嫁は畑へ、孫たちは学校へ 

農家の縁側で、婆さんが日向ぼっこだ。縫物をしているのかな、それとも居眠りをしているのかな。 

軒には、大根と干し柿が簾に吊るされている。これらも日向ぼっこをしている。

童話の絵に出てきそうな、典型的な日本の田園風景。



コメント
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