一韶の俳句ブログ

俳句を詠うのは自然・私・家族・夢や希望・社会など。読む時はどんな解釈が浮かぶか読み手の経験や生活によって様々

63 枯野ゆくドン・キホーテも来たと云ふ  徳子

2010年11月12日 | 

「ドンキホーテ」の作者スペインのセルバンテスは、徳川家康と同年に死去している作家。

四十年ほど前、ピーターオトゥール主演で映画化された。日本では松本幸四郎主演で,未だにロングランを続けているミュージカルが「ラマンチャの男」

 

「ドン・キホーテ」という作品が、現在に至るまで支持されている理由は、この世の汚辱に絶望し、ほとんど狂気の沙汰で自分の憧れる「騎士道」に邁進する「思いの強さ」のようなものに、人々が限りない郷愁をそそられるからに違いない。

 

誰でも人は、幼い頃、「こんな人物になりたい」と思って過ごすものだ。ところが次第に、かつてあれほど思いこんでいた「夢」を忘れ去り、唯々「現実」の生活に埋没していくのである。

 

次は、「ラマンチャの男」の中の主題歌、「見果てぬ夢」の詩の一部

不可能な夢を夢見て

かなわぬ敵と戦い

耐えがたきを耐え

辿り付けない所へ辿り着こうとし

正せない悪を正そうとし

純粋に遠くから人を愛し

どんなに可能性がなくても

どんなに離れていても、正義のために戦い・・・・・

 

枯野を歩む作者は、痩せ馬ロシナンテに跨り、従者サンチョ・パンサと進むドンキホーテの姿を、その先にある風車と共に想像したのだろうか。

ドルシネア姫の気分に浸りながら・・・・

 


コメント (1)
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