一韶の俳句ブログ

俳句を詠うのは自然・私・家族・夢や希望・社会など。読む時はどんな解釈が浮かぶか読み手の経験や生活によって様々

61 蓑虫をぶらさげてをり枯木立   疏水

2010年11月10日 | 

「我は虫である」と蛾は言った、のではない。「虫は我である」と言ったのである。だから、蛾なのである。

 

 蓑虫は、ミノガ科のガ(蛾)の幼虫。口から糸を出して小枝や葉の小片をつづり合わせ、筒状の巣を作って住む。雄は羽化して出るが、雌は一生をこの中で送る。「鬼の子」ともいう。

 

どうして、蓑虫が鬼の子なんでしょうねえ。清少納言さん、教えて!ちょうだい!

 

「蓑虫」は秋、「枯木立」は冬の季語であり、季重ねであるが、この句の場合、「枯木立」の冬と解するのが自然。

 

すっかり葉を落とし、裸になった枯れ木に、冬なのに未だに蓑虫がぶら下がっていた。冬とはいえ、今日のような小春の暖かな日だったのかもしれない。

 

枯れ木が蓑虫を「ぶら下げてをり」としたところが面白い。蓑虫が怒るかもしれないが。

 

 

 

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