16日の「BS日本のうた」の特集は、「母への思いを綴る歌」と題して、出場歌手がそれぞれ母親の写真をバックに唄った。その中でも出色だったのが、島津亜矢の「感謝状 ~母へのメッセージ~」である。昨年9月、島津亜矢のコンサートを京都で見たとき、彼女は客席に降りて、最前列の座席の年配の女性に語りかけるようにこの曲を熱唱していたのを思い出す。その間、場内はしわぶき一つなくその歌声に聴き入っていたとの印象がある。島津亜矢は「大器晩成」のような力強い歌も得意とするが、この曲や、昨年の「帰らんちゃよか」のような、切々と語りかける曲においても、抜群の説得力を発揮する。
わずか5分に満たない楽曲であっても、それを聴いて得られる感動は、映画・演劇によるものに十分匹敵しうるのが、歌の持つ力だと思う。曲そのものが優れているのはもちろんだが、それを生かしていかに伝えるかが、歌手の力量である。
わずか5分に満たない楽曲であっても、それを聴いて得られる感動は、映画・演劇によるものに十分匹敵しうるのが、歌の持つ力だと思う。曲そのものが優れているのはもちろんだが、それを生かしていかに伝えるかが、歌手の力量である。