日本芸能イジン伝・その ① 「 エド山口に訊く 」 おひとりさま芸能人 ( タブレット純 (著) 左側 ) を読みました。 右側の YouTube 「 Oh ! エド日記」 で見つけたんです。 本屋には置いてないので Amazon で買いました。 エド山口 の YouTube はとても面白く お気に入り登録 をしています。 同じ時代を生きて、同じ音楽を聴いて育った、エド山口は 1948 年生まれで私と同じ歳です。 等身大のバンド話が聞けそうで興味を持ちポチしました。 翌日には到着です。 200 ページ程の量ですが数時間で読み終えました。 まさに一気読みです。
エド山口 はベンチャーズに憧れ徹底的にサウンドのコピーをし、現役で ” エド山口と東京ベンチャーズ ” を率いて数多くのライブ活動をしています。 グッチ裕三、モト冬樹、イタッケ島田、ウガンダ の ビジー・フォー は有名ですが、モト冬樹 は彼の実弟です。 彼らは高校の先輩 後輩にあたり昔からバンドとして離合集散をしてきました。 「 ムゲン 」 とか 「 ビブロス 」 とかがあった時代です。 結果的にエド山口は おひとりさま芸能人 としてバンドもやりながら、六本木界隈で弾き語りとして腕を上げて行きます。 当時、私の職場も麻布十番、六本木材木町 ( 旧 NET ) でしたから、地名や店の名前、ビルの名前など思い出しながら懐かしく読みました。 彼の作詞 / 作曲した 「 六本木ララバイ 」 は秀逸です。
著者の タブレット純も現在はおひとりさま芸能人ですが、和田弘とマヒナスターズ に 田渕純 としてボーカルで加入し、以後 2 年間、和田弘氏がなくなるまで同グループにて最後のメンバーとして活躍しておられました。 お笑い芸人としての、彼の 「 算数 」 と言うネタは笑えます。 YouTube で視聴する事が出来ます。 彼の音楽漫談は、新しいと言うか間が抜けていると言うか、自己憐憫あるいは自己同情的な独特の世界観です。 これがまた面白いんです。 是非とも見て頂きたいと思います。
昨日一か月ぶりに退院しました。 とにかく読書しかやる事がなく退屈で、二週間目にはホームシックになってしまいました。 ただただ、病院の書棚に置いてある文庫本をランダムに手に取り読書に耽っていました。
その中で 「 花村萬月 」 と言う作家と出会い、大いに衝撃を受けました。 上の写真の 「 ゴッド・ブレイス物語 ( デビュー作 ) 」 と 「 ブルース 」 をネットで購入し、家人に持って来てもらい面会で受け取りました。 他の 6 冊は病院の書架にあったものです。
「 重金属青年団 」 「 ブルース 」 など一般的には、暴力と情愛の物語などと帯に書いてあります。 普段は手に取らない種類の小説です。 しかし「 ゲルマニウムの夜 」 は第 119 回 ( 1998年上半期 ) 芥川賞受賞作でもあるし、チョット深堀してみようと思い、入院中に「 花村萬月 」 を 8 冊読んでしまいました。 癖があるので皆さん全てのお眼鏡に叶い、賞賛を得られるとは思いませんので、決してお勧めは致しません。 しかし、私はハマってしまいました。
「 ブルース 」 の解説でハードボイルド小説の第一人者 北方謙三氏が 「 たまらんぜ、萬月。 なにが悲しくて、こんな小説を書く。」 と書いています。 過剰な暴力シーン、過剰な愛欲表現 ( LGBT 含む )、主人公のブルース・ギタリスト ” 村上 ” ( 40 才位か ) のブルース的生き方 ・・・ 私の感想も北方謙三氏と共振しました。 私はこの 「 ブルース 」 を 2 回読みました。 他にも 4 冊、入院中に計 12 冊 ( 都合 13 冊 ) を読み終えて帰って来ました。
この 「 ブルース 」 に関しては登場するキャラクターの個性が半端なく凄くて ( ほかの作品にしてもそうだが )、それぞれを主人公にしたスピンオフ小説なども書けそうです。
孫 ( 小 6 女子 ) の愛読書が増えました。 「 四つ子ぐらし 」 に続いて 「 サキヨミ 」 です。 パラレルになりました。 例によって 「 サキヨミ 」 も 「 四つ子ぐらし 」 同様に読まされております。 一冊半日もあれば読めます。 5 巻目になりました。 勿論その間にも自分の読書も続けております。
この 「 サキヨミ 」 も面白いので読むのには何の抵抗もありません。 どうせ、ガキの小説だろうと思って半分舐めてかかりましたが、いやいや中々のもので、大人も十分に楽しめます。
ところで、この 「 サキヨミ 」 ですが、孫が、私に読書のきっかけを与えた、曰く付きの本 「 フォルツナの瞳 」 を彷彿とさせるほど発想が酷似しているのです。 しかし、内容は似て非なるものがあります。 巡り巡って ・・・ 輪廻の感があります。 「 フォルツナの瞳 」 の時と同様にドキドキして読んでいます。 感慨深いです。
ここ最近の私の読書は ・・・
「 ジョーカー・ゲーム 」 柳 広司 「 イノセント・デイズ 」 早見 和真 「 太陽は動かない 」 吉田 修一 「 女たちは二度遊ぶ 」 吉田 修一 「 限りなく透明に近いブルー 」 村上 龍 「 喫茶店 タレーランの事件簿7 」 岡崎 琢磨 「 化学探偵Mr.キュリー 」 喜多喜久 「 死香探偵 」 喜多喜久 「 ケルベロスの肖像 」 海堂 尊 「 天才 」 石原 慎太郎 「 女のいない男たち 」 村上 春樹
ブック・オフの 110 円文庫本を一度に 5 冊も買ってしまったりで、乱読状態になっております。 未知の作家も積極的に読んでいます。 面白くない本はありません。 中でも特に面白い本は途中で止める事が出来ず、午前 4 時頃に なって「 やばい! 」 と無理やり就寝する事もあります。(笑)。
出て来る地名は、東区、天神、早良区、チロル村、三瀬峠、佐賀大和、佐賀市、武雄市、長崎市、唐津市、呼子、糸島市、国道 263 号線、国道 34 号線 ・・・ 私達 福岡市に住む人間にとってどれも具体的に位置関係が分かる地名ばかりです。
犬鳴峠ほど有名じゃない三瀬峠 ( 福岡県と佐賀県の県境 ) ですが、心霊スポット、パワースポット、肝試しとしても知られています。 トンネルが出来る前の旧道はカーブが連続し、しかも鬱蒼とした木々の間をすり抜ける様に走ります。 事故多発地帯です。
あまり気分のいい小説ではありませんが、福岡にお住いの方は読んでみるのもいいかもしれません。 台詞はすべて九州弁 ( 博多弁ではなく西九州弁 ) です。 著者 吉田修一氏は長崎県生まれの芥川賞作家です。
読書三昧です。 ハムのブログとしてスタートしましたが、後半は関係のない投稿ばかりで 「 こんなはずではなかったが ・・・ 」 と思っています。
最近読んだ長編スパイ小説 「 ジェノサイド ( 上・下巻 ) 」 でモールス信号に関係した一節がありました。
敵国の捕虜になった我が国のスパイが自白剤を使用されるのですが、その自白の内容が 「 自国の上官や同僚、あげく国家まで批判する 」 内容でした。 敵は忠誠を誓っていないと判断し、都合よく 2 重スパイに仕立て上げます。
2 重スパイは、乱数表によって作成された偽電文を自国に送信させられます。 敵国の通信兵に監視され、偽の電文を一字一句間違う事なく正しく送信します。 下手な細工は出来ません。 これで敵国は我が国を攪乱させる事が出来る。 陽動作戦は成功したとほくそ笑んだのです。 しかし、スパイは自白剤で喋る内容を常日頃から頭の中に叩き込んで想定訓練しており、2 重スパイに仕立てられたと見せ掛け、敵を欺いていたのです。
電文は監視の下ですから間違って打電する事は出来ません。 かえってそれが幸いしました。 さて我が国の受信側ですが、すぐに偽の ( フェイク ) の電文だと気が付きます。 なぜ ?。 それは、通常の正式の暗号送信では訂正符号をどこかで一回必ず入れる決まりになっていたのです。 訂正符号のない綺麗な電文は偽物と言う事です。
敵はその事実を知りませんので通信兵に間違いなく打電したかを確認し、我が国の動きを待つのですが、すでに作戦は破綻しており失敗におわります。
結構ハラハラするんですよ。 仕掛けがね。 面白いオチでしょ !。
まず、字が小さくて詰まっていると、読書意欲を削いでしまいそうです。 かと言って絵が多く漫画と変わらない様なのはどうしたものか ・・・ さらに漢字をどれくらい読めるのかも問題ですし、仮に全ての漢字にフリガナがあったとしても内容が難しいとまた楽しい読書にはならないと思います 「 名探偵コナン 」 みたいに ・・・。
最大の問題は今時、本をプレゼントされて喜ぶ小学生がいるのかどうかです。 それを言っちゃうとこの話は終わってしまうのですが ・・・。
世の中の祖父母たちが、孫に読書をしてもらいたいと書店に行き迷いに迷い、書として買い与えるのは結局無難な図鑑や辞典など、児童文学なら伝記もの?。
私たちの小さい頃は 動物 ( 昆虫・植物 ) 図鑑、百科事典、宮本武蔵 や 牛若丸 二宮金次郎 キューリー夫人にナイチンゲール と言った類の本が買い与えられたと記憶しています。 どうです ?。 昭和の感覚で書籍を選んでも、この時代の子供たちが YouTube をほっぽってこれらの本に興味を示すと思いますか ?。
我が孫 ( 女子 ) は 5 年生になって初めて読みたい本を見つけました。 友達の影響です。 友達が ( 写真の本 「 四つ子ぐらし 」 を ) 「 面白い 」 と言ったそうです。
ゲームに YouTube で読書なんてしそうもなかった孫が自分の小遣いで買って来ました。 私も孫が読み終わった後借りて読んで ( 面白いから読め ・・・ と読まされて (笑)) います。 現在 10 巻まで既刊です。 11 巻は 2 月発売だそうです ( 4ヶ月に一巻のペース )。 次巻を心待ちにしています。
2 巻目以降は母親が買い与えている様です。 この 3ヶ月ぐらいで既刊 10 巻を割と一気に読破しています。 「 面白い 」 と言っています。 私はいま 9 巻目を読み終わりました。
主人公は中学 1 年生の訳アリの女の子達です。 内容は 小学 3~6 年生の女子 にぴったりの小説です。 残念ながら孫がこれを切っ掛けに読書好きになるとも思えませんが、この本に対しては掛け値無く楽しんで 10 巻を淀む事無く読んでいます。
既刊だからといって 10 巻まとめ買いは止めた方がいいでしょう。 プレッシャーを与えるだけです。 進み具合を見て一巻づつ与えましょう。 次巻を読むのが待ち遠しくなるはずです。 私自身も楽しんでいます。 良質な児童文学だと思います。
「 四つ子ぐらし 」 の共有は孫とのコミュニケーションツールとなっています。 時々、孫から 「 今どんなところを読んでるの ? 」 と来るので 「 今、早乙女さんがバンドのメンバーに花束を渡している所を読んでいるよ 」 と ・・・ 手抜きが許されません。 私がアマチュア無線が出来ない理由がお判りでしょう(笑)。 自分の読書もある訳だし ・・・ 今年の二冊目は 「 新章 神様のカルテ 」 でした。 いい本でした。
もしこの年齢のお孫さんをお持ちのお爺さんお婆さん、プレゼントの本に困ったら、私の一押し 「 四つ子ぐらし ひのひまり著・佐倉おりこ絵 」 をお勧めします。 佐倉おりこさん のコミック版 ( 漫画 ) もある様なので、間違わないで、 ひのひまり著の文学書 の方を選択してくださいね。 出来ればご自分もお読みください。
表紙から恋愛小説、猫とのふれあいが想像されました。 私は猫に関心がないので、食指が進みませんでしたが、本屋大賞 にノミネートされ、大賞は取れなかったものの、映画化されたとの あとがき を読み購入しました ( 勿論 110 円コーナーです )。
感動しました。 泣きました。 人それぞれに笑いのツボがある様に、人はこの本のどこに感動し涙するのか、あるいはしないのか、私には分かりません。
しかし、哲学的とも言える ( と言っても難しい事は書いてない ) この不思議な小説 ( 「 セカ猫 」 ワールド ) は、自分の人生にとって大切なものを改めて気付かせてくれます。 それは題名から想像される 猫 ではありません。
題名の 猫 のところを恋人の名前 ○○ にした紙切れ、「 世界から ○○ が消えたなら 」 を、一ページ目に忍ばせてプレゼントしたらどうかと、解説者は提案しているが ・・・ 面白いサプライズかも ・・・ ですけど、「 キモい ! 」 と裏目に出たって責任はとれませんがね (笑)。 本を送るのは難しい。 私は止めた方がいいと思います。
顕著なのは携帯電話とパソコンがあるかないかで捜査方法ががらりと違います。 昭和の刑事はいちいち公衆電話まで走って行きます。 記録は警察手帳。 防犯カメラ、スマホ、GPS、DNA 鑑定 の普及も大きく影響します。
ミステリー・ファンであれば江戸川乱歩の小説の一冊ぐらいは読んでおかないと、と思ったので、「 D 坂の殺人事件 ( 短編集 ) 」 を読みましたが、灯りの単位が ” 燭光 ( しょっこう ) ” ですからね。 懐かしい響きです。 昭和の 30 年代に小学生か中学生だった人は聞き覚えがあると思います。
この頃は、靴のサイズは 10 文半 ( ともんはん ) 、重さは匁 ( もんめ ) 八百屋では天秤ばかりで計っていました。 一寸釘、今では業界用語の 「 尺が足りない 」 なんて一般人も知っていますが、尺貫法の名残ですね。 いくつかの古いミステリー小説は仕掛けそのものが、だんだん時代にそぐわなくなって来ます。 不朽の名作 「 点と線 」 がそうであるように ・・・ 。
上記 2 巻を読みました。 「 トヨトミの野望 」 が先で 「 トヨトミの逆襲 」 が続編です。 この小説は 梶山三郎 と言う 「 覆面作家 」 のデビュー作です。 「 トヨトミ = トヨタ ? 」 自動車について、あまりに詳しすぎる内部情報、関係者しか知らないはずのエピソードが満載だったために、小説を偽装したノンフィクションではないかと噂され、発売と同時に名古屋界隈の書店から本が消えたという伝説の問題小説 「 トヨトミの野望 」 「 トヨトミの逆襲 」 です。
その信ぴょう性については、トヨトミに近い経営者は 「 99% が事実 」 と言い。 良識ある業界担当の官僚は 「 まあ、半分ぐらいじゃないですかね 」 と言ったと言う。
久しぶりに経済小説を読みました。 私は、ノンフィクションであると信じて読みました。 その方が何倍も楽しい (笑)。 国内外 30 万人もの従業員を抱える大企業 ・・・ その創業者の持株は、なんと 2% にしか過ぎない。 世襲の意味は ?。 サラーリーマン社長と創業者一族の確執は ・・・ 経済音痴の私にもしっかり読み解く事が出来ました。
この覆面作家は今もなお現役でこの業界の取材を続けていると言う ・・・。
例のブックオフの 110円文庫本コーナーで同名の本を手に取ると、ついてきた孫娘が 「 お兄ちゃんが観た映画だよ 」 と言いました。 あの怖がりお兄ちゃんが自から進んでホラー映画を観る訳もなく、恐らく友達に誘われて仕方なく行ったに違いない。 私もホラーは好きではないが、孫娘によると 「 お兄ちゃんがめちゃくちゃ怖かった 」 と言っていたらしく、興味半分で読んでみる事にしました ( 孫と共通の話題を持つのも悪くない )。 この 「 犬鳴村 」 は映画が先で、小説は後から書かれたらしい。 「 アルキメデスの大戦 」 もそうでした。 小説が後です。
私の数少ない知識では、小説が先の場合は映画は小説を超えられない ( 勿論例外も ・・・ 「 永遠の0 」 の様に )。 逆の場合は小説は映画を超えられないと思っています。 小説 「 犬鳴村 」 は想像してたより怖くありませんでした。 多分小説より映画の方が怖いのでしょう。
映画公開の後、他県からの若者が押し寄せ、地元民に迷惑 ( 酒を飲む、大声を出して騒ぐ、喧嘩、ゴミを散らかす等 ) を掛ける事例が多発し困っているとか ・・・ 昔から、肝試しで有名な 犬鳴峠 ですから、映画の影響は多大なものであったと思われます。
「 探偵は BAR にいる 」 はテレビ朝日の日曜劇場で観た事があるので、今更と思いながら買ってみたらなんと ・・・ 映画の原作は 「 探偵はバーにいる 」 ではなく 「 バーにかかってきた電話 」 という、シリーズ 2 作目の映画化だったのです。 「 探偵はBARにいる 」 は映画で 「 探偵はバーにいる 」 は小説だったと言う事です。 結果ダブらずに良かったと言うのか騙されたと言うのか微妙ではあります。 BAR とバーの違いでした (笑)。
110 円コーナーの文庫本は単行本が出版されてから 7~10 年経っています。 今頃そんな本を読んいるの ? と笑われそうですが、諸事情 ( ゲルピン ) により仕方がありません。
お勧めの本があります。 第 117 回直木賞 ( 1997 年 ) を受賞した浅田次郎の 「 鉄道員(ぽっぽや) 」 です。 20 数年以上も前の作品ですから、今更とお思いでしょうが、110 円文庫本愛読者であり、読書と言う選択肢がなかった人生に 70 才にして突如として読書に目覚めてしまったのだから、読書愛好家の最後尾を周回遅れ ( 数周回遅れ? ) で走っている様なものです。
この本を手に取る前は、長編小説だと思っていました。 8 編の作品が収められている短編集 ( いずれも秀作 ) だったのです。 表題の 「 鉄道員 ( ぽっぽや ) 」 はたったの 38 ページです。 30 分もかかりません。 私は映画は見ていませんが主演を高倉健さんが演じているのは知っていたので、イメージを被せて読みました。 見事なキャスティングです。 二回読みました。 二回目も泣きました (笑)。
正しく " 奇跡の一巻 " ( 本書のあとがきより ) と言えます。 読書愛好家は既読 ( 140 万部を売り上げるベストセラー ) でしょうから、読書の取っ掛かりとして老後で暇を持て余している読書初心者にお勧めです。 「 ラブ・レター 」 「 角筈にて 」 いずれもティッシュペーパーを傍に置いて読んだ方がいいでしょう (笑)。
最後に直木賞の選者の一人である、井上ひさしさんの一番辛口だと思われる書評を紹介しておきます。 「 粒選りの中でも、さらに高い質を誇っていた。 」 「 八つの短編が収められているが、うち四つは大傑作であり、のこる四つは大愚作である。 大傑作群に共通しているのは、「 死者が顕われて生者に語りかける 」 という趣向で、この趣向で書くときの作者の力量は空恐ろしいほどだ。 たとえば 「 角筈にて 」 を読まれよ。 この一編で、大愚作群の欠損は充分に埋められたと信じる。 」 と ・・・。
犯人の動機は基本的に復讐にありますが、当事者ではなく冤罪被害者の孫という立場にあり、しかも 30 年もの歳月が経っている。 作者は動機的に弱いと思ったのでしょう ・・・ 私の推理 では動機に異常性が含まれていたという風に被せたのは、最近この手の犯罪が多い事も含めての意味で ・・・ 後で足されたように見えました ( 匂わせてはいますけど )。 嘘の加害者が余命幾ばくも無い設定は、簡単に想像できるほど陳腐だし、正直 「だよね~」 と思いました。 東野圭吾さん如何ですか ?。
時々、今までの展開は何だったのだろうと思うほどの奇想天外な結末で終わる小説もありますが、この 「白鳥とコウモリ」 は伏線を読み解けば答えが出そうなんです。 恋愛小説風なサブストーリーもあり、途中でやめられません。 一気読みできるだけの内容です。 今日からは百田尚樹です(笑)。