2010年オールJAコンテスト参加記 de JA6FGC
去年(2009年)は7MHzシングルバンド電信部門シングルOPハイパワー部門(
C7H)にFT-1000(200W)+バーチカルで参加して全国11位(437QSO x 54マルチ = 23598得点)と言う成績でした。
ひそかに10位以内を期待していただけに、チョット残念な結果となりました。
そんなに甘いものじゃないよと言うのを思い知らされた気がします。
なんの戦略もノウハウ、経験もなく闇雲にQSOをするだけでは、いい成績は得られないと言う事です。
常勝のコンテストの達人は、日頃より運用技術の錬磨、リグ(人間工学的に機能的なリグの配置や機械的整備等)・アンテナの整備(複数のアンテナの使い分け等)、時間割(コンディションの把握・休憩時間)、家族や近隣とのマッチング(インターフェア対処含む)、健康(体力)維持、夜食の手当て・・・等々、細視にわたった設計図を用意しての参加なのでしょう。
そんな人に簡単に勝てる訳がありませんし、間違って勝ってもいけません・・・・・。Hi
去年、不完全燃焼だったので、今年は自己満足的に完全燃焼をしたいと思いました。
かと言って、今年リベンジするに当たっても、かなり行き当たりばったりの参加です。
前回と違う事と言えば・・・・・アンテナが2種類使える事、コンピュータ・ロギング(ソフト:RTCL)及びコンピュータ・キーイング(WinkeyerⅡ USB を使用する事でCWの品位には問題なし)を事前に(4月頭から)練習をした事(WAKUアワードの福岡市西区サービスでQRV)、パソコンの誤操作を避けるため、ファンクションキー等にシールを貼った事、モチベーションを上げた事、夜食(おにぎり、サンドイッチ)を準備した事(Hi)等でしょうか。
参加部門は
C7Hから
C7M (7MHzシングルバンド電信部門シングルOP ローパワー部門 (FT-1000MP(100W)) に変更しました。
理由は最後に述べたいと思います。
今回も、ランニングをメインにし、キーイングはパソコンと連携したWinkeyerⅡ USB を使用し、パドルでの手打ちは極力行わないでコンピュータ・ロギングに徹する。
目標は前回達成出来なかった500QSOを超える事と、24時間フル運用する事を原則にしました。前回は都合4時間30分の休憩を取っていて、この休憩が目標の500QSOに達しなかった原因と考え、休憩は基本的に取らないと決めました。
いよいよ、開始間近です。数局がチューニングを取ったりして周波数確保に躍起になっています。
ある有名コンテスターが「最初は呼びに回る」と言っていたため、S&Pをする事にしました。30秒前から「CQコンテスト」とフライングする局もあります。「おいおい時計合わせは基本だろ!」・・・・・
開始!・・・・7010KHzから上へとワッチを始め、1局目は21:02。2局目は21:03・・・・スイープしていくと7013KHzに周波数の空白が有ります。JA6FGCのいいかげんさ発揮です!最初に決めたS&P作戦はどこへやら・・・・開始4分後に早くもこの周波数でランニングを始めてしまいました。
あらあら・・・・しかしながら、最初の1時間で80QSO!。
上々の立ち上がりです。
CWのスピードはタイピングの問題もあり、遅めの120字(24rpm)です。
コールサインの5~6文字を固まりとしてコピーする場合はもっと早いスピードがいいのですが・・・・パソコンでキーイングする時はタイピングのレベルに依存しますので、私の人差し指タイピングでは120字が恥をかかない限度でしょう・・・・Hi。
ブラインドタッチ・タイピング等のスキルがある人ならもっとスリリングでカッコいいオペレートが可能です。
CWフィルターですが、250Hzを使用しました。
従って帯域外で呼んでくる局は聞こえません。
クラリファイアは積極的には使いませんでしたが呼んで来る局を確実に捕らえるためには必要だと思います。
何局かは呼んでも応答がないのでJA6FGCは耳が悪いと思った局も少なくなかったかもしれません。
しかし、私に言わせると周波数の合わせ方がヘタだから応答が無い・・・・スプリットでやっている訳ではないので、呼ぶ側に問題ありです・・・・!Hi
取りこぼしを少なくするためには500Hz等の広めのフィルターを使うべきかも知れませんが、500Hzだと上下からのキークリックや他の局を呼ぶ局まで聞こえてしまい、QRMで非常に疲れます。
このQRMに耐え抜いてこそコンテストの達人か?Hi
今後の課題となりました。
当然、ヘッドホンを使用しています。
自分のサイドト-ン(毎回送出されるCQや自分のコールサイン)をヘッドホンで聞くのは非常に疲れる事がわかりました。
そこで、サイドトーンのモニタを絞ってしまい、送信時は無音にしました。
無音でも究極、コンピュータ・キーイングならオペレート出来ない事はないのですが、やはり不安で、変な気がします。
そこで、そばにあるFT-101ES(アンテナなし)で軽くモニタして、BGM風に聞こえるようにセットしました。
自局のキークリック等のチェックも出来るし、耳にダイレクトにピーピー響くサイドトーンモニタから回避出来、この方法は大正解でした。
どのコンテスト・ログにもQSOレート表示機能があります。
この数字を下げないために、一生懸命「CQコンテスト」を連発する訳ですが、時間が経つにつれてどんどんレートは下がって行き、墜落寸前になります。
ここが、勝負の分かれ目で「よーし、まだまだ」と頑張る人と「ここらで、ちょっと休憩を入れようか」・・・・私は当然、後者でありまして・・・・休憩は取らないと決めたのにも係わらず、簡単に休憩を取ってしまうのでした。HiHi。
最初の休憩は03:30~05:30です。
しかし、練習の甲斐あってかこの時点(開始後6時間30分)で、早くも304QSO(平均47/HR)。去年よりかなりハイペースです。
07:12 JA6IQG 09:01 JA6FFK 両OMとQSO!
次の休憩が10:30~12:30、435QSO。ほぼ去年のQSO数に追いつきました。
なんとか、自分を叱咤し頑張るのですが、またまた15:00~16:30に休憩、この時点で489QSO。
500QSOになったら止めよう、と思い始める。疲れた!
なんとか再開するも、この後全く呼ばれない事態に突入です・・・・しかたなくS&Pをしてみますが、QSO済みの局ばかりです。
18時台には1時間8局と言う有様です。
しかしこの時点で目標の500QSOを超え524QSOまで来ました。
あと3時間・・・・以降は呼ばれなくても気にしないで最後までやり抜こうと決めました。
結果は3時間でたった30QSOでした。
超低レートですが、目標の500QSOを超えた分は 今回「オマケ」です。
トータルで554QSO(Dupe4)。
4局のDupeは「QSO B4」の意味が判らないらしく、ナンバーを送って来るので、無駄に時間を掛けたくないのでQSOしました。
スコアは550QSO(内S&PでのQSOは約40局)x マルチ55 = 30250ポイント、となりました。
今回も5時間30分の休憩を取ってしまいました。
しかし、得点は去年をはるかに上回りました。
「とらぬ狸・・・・」をしてみると、同部門(M部門)の去年の1位よりも多い得点です。
M部門優勝か?!・・・HiHi。
最近のコンテストの傾向として、CW部門は人気が高く参加者が増えていて激戦区です。 一概に去年の結果を引き合いに出して比べる事は出来ません。
冷静に結果を待ちたいと思います。
最後にコンテストに参加して気が付いた事・・・・
まず、24時間連続運用の体力は持ち合わせていない事が分かりました。
仮にフル運用が出来たとして、私の設備、技術では650QSOがMAXと思われます。
また、ラスト30分のランニングで15QSO(1マルチ増)出来ました。
直前まで低レート(10以下/HR)でしたから、最後の30分に多くの局がS&Pに回った事が分かります。
私は、S&PしてもQSO済みばかりだったので、しょうがなくランニングしましたが、これは正解でした。
終了間際まで呼ばれ続けて嬉しい悲鳴でした。
ラストQSOは20:59:58でした!。
マルチの数はスコアに大きく影響します。気になるところでしょうが、今回はランニングだけで北海道の5マルチを残して、47都道府県すべてQSO出来ました。
真面目にランニングをやっていれば自然とマルチはついて来るようです。
途中でマルチ探しのS&Pをやりましたが、ほとんどがQSO済みで、ニューマルチを得る事は出来ませんでした。
C7Hから
C7Mにカテゴリーを変更した理由・・・・・
以下の文章はコンテスト・ルールの 10.賞(1) に記載されているものです。
出力別に分かれている種目では、最初に種目コードH・M・P全体を通じての局数に応じて、次にM・P全体を通じての局数に応じて、最後にPだけの局数に応じて、それぞれ入賞者を選出する。重複した場合はその旨を賞状に併記することとする。
本来、カテゴリーとは同じ土俵で戦って勝敗を決めるものです。
CQ WW コンテスト等メジャーなコンテストでは、カテゴリーの枠を超えて順位を決める事はありません。
カテゴリー選びもコンテストのテクニックのひとつなのです。
ところが、ALL JA コンテストでは、H部門(ハイパワー部門)は参加者が少なく入賞し易いから、得点が少なくてもログを提出して入賞する人が多い=ずるい?・・・・・と言う理由からH部門の順位付けは H・M・P 各部門を全部一緒にして順位を決めると言う実に不思議な方法を取っています。
たとえば、H部門の200WのA局が30000点でH部門の5位だったとしましょう。 カテゴリーの本来の意味からすると当然A局は5位入賞です。ところがM部門参加の100WのB局が31000点取っていたとすると、JARL方式ではカテゴリーを越えてA局の上にランクされます。
つまり、A局は6位になり賞状を貰えず、B局が5位になり賞状を貰うのです。(この例では5位までを入賞として話をしています)
従って、カテゴリーなんて意味を持たず、H部門は事実上無差別部門となります。M部門のB局はM・P一緒のクラスでも審査されますので、M部門1位となり、H部門5位とM部門1位の2枚の賞状を手にします。(正確には1枚に併記)
おかしくないですか? カテゴリーで仕切られた枠がある以上、その枠内で順位を決めるのが筋であると思います・・・・・。
従って、あくまでも前出のA局はH部門の5位であるべきです。
去年の私を例に取るとH部門(
C7H)のカテゴリーでは7位ですが、記録としてはH部門(
C7H)全国11位と言うことになります。つまりM部門の人で私より高得点が4人いるからです。
H部門(
C7H)カテゴリーでの
7位と言う成績は記録としてはどこにも残りません。
そこで、私はM部門で参加しようと考えました。なぜなら
100Wと200Wの出力の差は3dB(Sにして1)です。
やりようによっては、運用技術やアンテナで帳消しに出来る数字です。
しかもM部門で参加しても、H部門に参加しているのと同じ事になります。
つまり、H部門は1回しかクジを引けないのに対し、M部門は2回クジが引けます。
そう言う視点から今回の参加者を見てみるとH部門から
M部門へ鞍替えした局が去年の上位10局中3局います。
私は11位でしたから私まで含めると、11局中4局になります。
おそらく、無差別級的H部門の参加に疑問を感じた人ではないでしょうか?
コンテストは主催者が独自にルールを決めていますので、そのルールに従うのが当たり前です。
しかし、
オールJAコンテストにおける、カテゴリーの考え方は間違っている
と、私は主張します。
【加筆】 4ヵ月後結果がJARLのWebに発表されました・・・・
結果はC7M部門、全国1位でした。
(C7H部門では全国4位でしたが、私は
C7H部門に参加していないので、その旨の併記は不要です)
【参考】使用機材
トランシーバー : FT-1000MP (100W出力)
パソコン : ノート型パソコン(Windows XP)
インターフェイス : JN2AMD製作
キーヤー : WinkeyerⅡ USB (by K1EL)
ソフト・ウェア : RTCL(JK1IQK作成のフリー・ソフト)
アンテナ : 7MHzモノバンド・グランドマウンテッド・バーチカル(1/4λフルサイズ)および 7MHzモノバンド・1λループ・アンテナ(下図) 以上。