:〔続〕ウサギの日記

:以前「ウサギの日記」と言うブログを書いていました。事情あって閉鎖しましたが、強い要望に押されて再開します。よろしく。

★ あなたは天使を見たか?

2016-08-18 23:52:57 | ★ WYD(世界青年大会...

 

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

WYD(世界青年大会)2016 ポーランド(その1)

 ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

あなたは天使を見たか?

 

 

ドナウヴェールトの美しい街並み

南ドイツ、ドナウ川のほとりに「ドナウヴェールト」という絵のように美しい小さな町がある。そこに旧友のマリアンネと、私たちが「ムッティ」(お母さん!)と呼ぶ彼女の母親が住んでいる。

庭の赤いキイチゴを集めるバケツを持っムッティ

ムッティとは10年ぶり以上の再会となった。

ムッティのお家の庭には沢山のキイチゴが実っている

ジャムを作るためにそのキイチゴをせっせと集めるマリアンネ

私はマリアンネに「貴女は天使を見たことがあるか?」と聞いた。

「天使なんて見られるわけないでしょ!? 純粋に霊的な被造物なのだから!」

大学教授で神学博士の彼女からは、言下に予想通りの正解が返ってきた。(だがそんなことは私も知っている。)

「ところが、どうやら僕はまた見てしまったような気がするんだ。」

「実はね、ここに来る直前、ポーランドのクラカウの町で、静かな公園の芝生の上で、つい気持ちよくうたた寝をして、物の気配にふと目覚めて半身を起こすと、目の前に質素な服装の物静かな男が膝をついて恭しく何かを捧げ持って、僕に受け取れと差し出した。彼は終始無言だった。」

見ると、それは、赤とネズミ色の小さな薄い冊子だった。

受け取って検めると、なんと、それは僕のパスポートと国際運転免許証ではないか!

これがなければ旅は続けられない。大切なシロモノだ。

よく届けてくれた。助かった!有り難う!有難う!とさんざん礼を述べながら、「待てよ?」とふと思った。そもそも自分は一体いつの間にどこでそれを無くしたのだろう?この男はどうして僕がその持ち主でここにいると分かったのか?

そこまで思考が進んだ頃には、彼の姿はもうどこに消えたか、影も形も見えなくなってい。

だが、夢ではなかった。3メートルと離れていないところにアンヘル神父が一緒にいて、私とその男とのやり取りの一部始終を確かにその目で見ていたのだから。

パスポートは私のリュックの内側の隠しポケットにしまってあって、そのリュックはいつも手放すことはなかった筈ではないか。

だが、静かな人気のない見晴らしのきく芝生の上で、つい油断して身のそばに置いたままうたた寝をしたようだった。見ると、手の届くほどのところに置いたはずのリュックが、気のせいか少し離れたところにポツンとあった。

引き寄せてみるとチャックはみな閉まっていた。しかし、中を検めると、閉めてあったはずの隠しポケットのチャックが開いていて中は空だった。それもそのはず、中身はたった今その男から受け取って、まだそのまま私の手の中にあるのだから。やっとただならぬ事態に気が付いた。

アレ?!ところでカメラは何処だ? リュックと一緒に置いていたはずなのに。カメラが無い!

それにしても、このリュック、やけに軽いな。ウン?これはヤバいぞ! 最悪の予感に焦って、別のチャックを開けるのももどかしく・・・、・・・ああ、やっぱりやられたか!! 背負うとぴったり背中に沿うあたりにノートパソコン専用の仕切りがリュックにあったが、その中も空だった。

客観的事態はもはや明らかだった。リュックを枕にして寝なかったのが失敗の原因だった。旅慣れた私のことだ。雑踏の中なら手放すわけはないのだが、静かな人気のない明るい開放的な芝生の環境にうかつにも警戒心を緩めたのが日本人の甘さだった。愛用のカメラよりも失われた1000枚近い写真のほうが惜しかった。パソコンとともに失われたデータはもう2度と返ってこない。残念だが、自業自得というものだ。

以上が神様を信じない自分の結論だった。

しかし、神様を信じるもう一人の自分がいる。

なぜ心がこんなに平和なのか?これはきっと神様の御業だからだ。「裸で生まれてきたのだから、裸で死ぬはず」ではなかったか。「76歳にもなって、いい加減に物に執着するのは止めにしなさい。カメラはお前の玩具、お前はパソコンの奴隷、パソコンはお前の偶像だったことをやっと思い知ったか。お前は天に積める宝だけを大切にするはずではなかったか。いい加減に目を覚ましなさい。パスポートは天使に届けさせたし、命には別状なくちゃんと息をしているではないか。私のすることに何か文句があるか?」と神様は言っておられるのだ。

それにしても、あのみすぼらしい身なりの男は誰だったのか?カメラとパソコンを盗んだ本人か?ノコノコ戻ってきたりして、もしとっちめられて警察に突き出されでもしたらどうするつもりだったのか。それとも、泥棒が捨てたものを拾った善意の人か?それなら持ち主がここで昼寝している私だとどうして分かったのか?どう考えてもしっくりと腑に落ちない部分が残る。

私はこう結論付けて、さっさと納得した。

これはきっとお考えがあって神様がなさったこと。パスポートを届けてくれたのは人の姿に身を窶(やつ)した「天使」だったに違いない。アレが戻ってこなければ、日本領事館のないクラカウの町で足止めを喰う筈だった。変更のきかない航空券は失効し、ドイツではムッティに、イタリアの神学校で院長に会う予定もすべてパーになる筈ではなかったか。きっとそこまでは神様の望まれるところではなかったのだろう・・・。

ああ、神様ありがとう!守護の天使様ありがとう!

 

 

そんなわけで 、盗まれたパソコンと共にパックアップを取っていなかった一連のファイルも喪失しました。しっかりセキュリティーがかかっているので、それが破られなければデータの悪用はないでしょう。仮に破られたとしても、大部分日本語のファイルがポーランドの悪党どもに利用価値があるとは思えません。アドレス帳などの重要な情報は、何層か下の日本語のサブファイルにあるので、偶然にもそこにたどり着く可能性はほとんどないでしょう。

この際、念のために私が長年使い慣れたメールアドレスをやめて徐々に新しいアドレスに移行しようと思います。メールアドレスの変更をBCC一斉メールでお伝えしたいところですが、そのアドレス帳自体を失ってしまったので、思うに任せません。

私のこのブログが偶然目に留まった方で、今後も私とお友だちとしてメールで繋がっていきたいと思われる方は、私の従来の 「・・・@nifty.com」 のアドレス宛てにあなたのアドレスから短いメールを送ってください。折り返しの返信で私の新しいメールアドレスをお知らせしたいと思います。またこのメールが目に留まった方は、共通のお友達に私がメールアドレスの変更を意図中であることを知らない方がおられたら、今後も私とメールで繋がっていたいとお考えの方は、一度私に短いメールを送ってくださる必要があることを知らせてあげてください。しばらくの猶予期間をおいて、今までのアドレスは閉じようと思っていますから。

なお、カメラを盗られてしまったので、ここで使った写真はその後に iフォンで撮ったものであることをお断りしておきます。

今後とも、私のblogをご愛顧ください。 (続く)

 

コメント (2)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする