2008-06-28 06:42:56
サンクゼールの庭の其処ここに、このような札が立っている
四つ葉のクローバー物語
野尻湖国際村113番のキャビンから車で約25分の丘の上に、突然、おや?ここ日本??と目を疑わせるような眺望の洒落たレストランがあります。その名を『サンクゼール』といいます。なんとなくフランス語っぽい耳ざわりの単語ですが、仏和辞典には出てきません。ン?と思って語源を探ると、大爆笑!
なんと、このレストラン、いや、広大なブドウ畑と、リンゴ園と、ワイナリーとジャム工場と、・・・の持ち主のお名前を「久世さん」と申します。、ひっくり返すと「さん・久世」、サンクゼ、『サンクゼール』となるわけです、ね!ナーンダ!ブリジストンタイヤの社長が石橋さん、の手合いですね。日本的駄洒落といってしまえばそれまでですが・・・・
いたるところ花だらけのこのワイナリー、其処ここに小さな札が立っていて、どれにも聖書の一句がしるされています。久世さんの奥さんが牧師さんで、従業員もキリスト教的な雰囲気の中で働いています。
林檎の木の下の足元はびっしり敷きつめたようにクローバーが生えています。よく見ると、・・・あった!四つ葉のクローバーだ。
実は私、小さな子供の頃から、男の子のくせに野の花が大好き、四つ葉のクローバーを見つける天才少年でした。
今でも、野原でしゃがんで、いや、立ったままでも、四葉を探して、5分もすると指には必ず3本ー5本の四つ葉がたまります。時間があれば、時には15本、20本と集めてしまうこともあります。その秘訣は?もちろん、秘密です。・・・ですが、今日は特別、その秘密の種明かしをいたしましょう。
先ず第一は、信仰です。この際、プロテスタント、カトリックの違いは問題になりません。神様は、天地万物の創造の初めから、クローバーの葉の中に、或る確率で、四つ葉、五つ葉、六つ葉(七つ葉はまだ見たことが無い)をばら撒くという遊びをなさったようです。それは、「僕のような少年を楽しませるためでした」、と固く信じる信仰です。この信仰無しに、誰も見つけることは出来ません。
私は、いい年配の上品なご婦人で、「神父さまーぁ!四つ葉のクローバーって、本当にあるんですかーぁ?わたくし、生まれてこの方、いちども見つけたことありませんことよーぉ!という悲しいことばを吐く人に出会ったことが少なくない。なんと、嘆かわしい!
神の恵みを疑う人、信じない人、だからそれを受けることを望まない人には、陽の光、優しい雨のように降り注ぐ恵みも、その心にしみ透ることは無いのです。
私は、告解(懺悔、告白とも言う)に来る小さな子供に、「あなたが創られた唯一の目的は、聖人になることです。神様は、あなたを聖人になるように招いています。あなたも望めばきっとなれますよ!それを信じますか?」といいます。「はい!」と明るく答えた子供の誰かが、いつかきっと聖人になるとわたしも確信しています。たとえ列聖式がサンピエトロ広場で晴れがましく行われなくても・・・・。そのお祝いの日が、復活の日までお預けになっても。ビバ、セイント・アノニマス!!
縁あって出会って、明るく「ハイ!」と答えてくれた何十人、二、三百人の子供たちの誰かが、いつかきっとその夢を叶えてくれる、と信じる能天気な信仰。それは、この足元に必ず四つ葉が隠れている、と言う信仰に通じるものがあります。ひょっとして私も、中学時代のクノール神父様、ブラウン神父様にそのお目出たい信仰を刷り込まれた一人なのかもしれませんね。
聖人だって?フン!と鼻で笑った少年は、絶対100%聖人にならないだろう。たとえ、彼の方が、塾で、部活で、東大お受験で、成功者、強者の道を歩んだとしても、であります。
私なんぞ、と謙遜したご夫人も絶対にならないだろう。自分で招待券を破って捨てたのだから。宝くじだって、せっかくもらったのなら、当選発表日まで破り捨てずに持っていたほうがいい。万に一つも、と言うことがあるかもしれないのだから。
さーて、話を進めて、手品の秘密、種明かしに入りましょう。
まず、既成概念を捨て去ることです。これは、人生のあらゆる場面で有効な重大な教訓です!
クローバーの葉は何枚?ハーイ、先生、三枚でーす!三枚の葉のそれぞれの間の角度は? 360度割る3だから・・・、120度でーす! ハイ、よく出来ました。それでは、皆さんの目の中の角度を120度から90度にセットしなおしてください。そう、その通り!角度をぎゅ-っと絞って、十文字。ちょうど、狙撃ライフルのスコープを覘いたときのように、視野に十文字の線が入るように。
これで準備は完了!これから足元の緑のじゅうたんをこのスコープで高速スキャンします。漫然と広い範囲を眺めるのではなく、一本一本の葉を一つづつ、ガキッと90度に角度をあわせたスコープを、必ずここにあるという確固たる信仰の心の目で覗き込み、すばやくアナログテレビの走査線のように足元をスキャンしていく。するとアラ不思議!三つ葉の120度の葉は目にただの緑の絨毯なのに、その中に90度の四つ葉だけが金色に光っているではありませんか。そこへ手を伸べて摘みとってみると、・・・ほーら、四つ葉だったでしょう?
えっ?! 違う? そんな! アッ、本当だ! これって、ひょっとして五つ葉じゃないの?
手にとって見ると確かに五つ葉でした! 感激ですね!
さあ、あなたもやってみませんか?信じる者は幸いなり!です。私は、もう何人もの四つ葉探しの天才を育てましたよ(笑)
この日の収穫は、結局10本ほどでした。
信じる者は、幸いなるかな!