「父と息子のフィルム・クラブ」という小説を読んでみた。
フリーで映画評論関係の仕事をしていたが無職となった著者が、登校拒否で学校をやめた息子を映画鑑賞を通じて更生の手助けをする話。著者の実生活を小説化したもの。
子煩悩な父親は、息子の恋愛話に自分の経験からいろいろアドバイスしたり、悩み相談に乗ったり旅行に出かけたりして、息子を後押ししようとするが、現実はなかなかうまく行かない。息子との接点は毎週映画を見ながら語り合うこと。そうやって、精神面の成長を促そうとする。でも、息子の映画の知識は増えても、実生活にはあまり役に立っているようには思えない。息子の恋愛が気がかりで仕方無い、子離れできない駄目オヤジだけど、この本がカナダでよく売れたということは、海外にもそういう子煩悩な親は意外と多いのかもしれない。
ちなみに、小説の中に出てくる映画の見方についての著者の薀蓄は、面白くてとても参考になります。
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