クロード・シャノンの名前を聞いたことがあったが、どのような人物だったのか知らなかった。
現代社会に不可欠となっているデジタル機器(PCやスマホ、デジタルメディア)の
基本的な理論を提示し、それまでは情報というのは定性的なものと思われていたが、
情報を定量的に表現することが可能であることを証明した。それは数学の範囲を超えて、
科学技術の進歩につながり、実社会に役立つ考え方を示したのが、シャノンの
大きな貢献だった。
本の内容は、彼の生き方と関わった人々の話を中心に展開しており、大変面白く読めた。
彼の理論の部分も多少触れてはいるが、文字だけで理解するのは難しい。この部分は、
入門書等で勉強する必要がありそうだ。興味深かったのは、彼ほどの人物であれば、
地位や名誉へ拘ることがありそうだが、彼は純粋に自分の興味だけを追求し、
世俗的な成功を望まなかったことだ。自分に忠実で純粋な精神の持ち主であるように感じた。
(株取引もやっていたようだが、資産運用よりも理論の証明の材料としてやっていたようだ)
また、彼は歴史の知識を人生に活かすことが大切と考えていたが、アメリカの歴史教育は
そうなっていないと言う。それは日本の歴史教育にも共通すると思った。
この本を読んで、彼の考え方に共感する部分が多かった。