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キマグレ競馬・備忘録

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本「天体観測に魅せられた人たち」

2021年10月01日 | Book
著者は女性天文学者。自身の経験から天文学者の日常、天体観測にまつわるエピソードまで様々な話題を取り上げる。私のような天文の素人にとって、天文の話題はニュースで取り上げられたものを知る程度だが、その裏では多くの天文学者たちが実際に観測したものや宇宙望遠鏡から送られたデータを使って仮説を立て、検証し、学会学術誌等での発表後の合意を得て初めてニュースになる。一般人は結果を受け取るだけだが、研究者は必ずそのプロセスを経なければならない。 彼らの日常活動の様子がよくわかって、大変面白いエッセイだった。 天文台を設置するのも、環境や社会的な制約があり、一筋縄ではいかない。 運用始めても日頃のメンテナンスの問題、ジェンダーの差別、動物や虫などの侵入者などなど多くの問題があったりする。 また現代の天文学者は直接肉眼で星を見る機会がなく、自分の専門以外の領域(星座の話など)を聞かれても分からないことがあるそうだ。 パソコンを使ってリモートで望遠鏡を使い、送られたデータを解析するのが現代の天文学者らしい。
ちなみに、自分も子供の頃、木星の衛星を発見したガリレオや天王星を発見したハーシェルに憧れて、天文学者になりたいと思った事があった。しかしこの本を読むと、天文学者のイメージは大きく違っている。 新天体発見の夢やロマンを求めるような仕事ではなく、自分の理論を証明することが使命とされているようだ。 星を見るのは、依然としてアマチュアの世界であり、この領域にはプロの天文学者があまり関与していないことになんだかホッとした。 もちろんブロにも多くの発見はあるのだが。 星の世界には、まだまだアマチュアが活躍できる場がありそうだ。 この本では図版や写真が1枚もない。エッセイを読んでいて、文章だけではイメージしにくい部分も多かった。たとえ エッセイでも、もう少し図表や写真を記載する等の工夫があっても良かったかなと思う。

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