現代に求められている教養について、池上彰と東工大リベラルアーツセンターの教授達との対談をまとめた本。
日本の大学では近年、実務教育ばかりが重視され、教養課程が無くなったことによる弊害が出ている。教養は仕事に直結する知識ではないため、余計な知識と思われているが、仕事の幅や視野を広げ、人間関係を構築するうえで必須のものである。アメリカの大学では教養課程に重点が置かれ、基盤造りの一環として教育が行われている。現代の教養とは何かについて、東工大の現状を認識するとともに、教授達の実践的な取り組みやアメリカでの教育の状況を取材し議論した内容を紹介する。
教養はどんな場面で役に立つのか、哲学は社会的合意形成にいかに寄与するか、宗教と社会の繫がり、生物学と人との関係など様々な観点で「教養」の持つ意味を考察していて大変面白く読めた。池上彰は、テレビでの説明も上手いがインタビューも上手く要点を抑えていて、大変判りやすい。対談は真面目で、テーマを様々な観点から考察して深く掘り下げており、教養を学ぶための入門書として格好の本だと思う。
だた、この本を手に取るには、多少勇気が要った。自分自身、この言葉への抵抗が若干あったこともあるが、本のカバーに教養に関する文章がゴチャゴチャと書いてあって、顔写真もやたら大きく出ていて、「教養のススメ」というより「教養の無理強い」という感じて、どうにも品が無い。(「四の五の言わずに死ぬほど沢山本を読め」なんて表紙に書いて欲しくない)電車の中で読んでいたら、座っている人達の目線が気になって落ち着かなかった。内容はとても良いのに、「教養が感じられない」装丁がとても残念だ。
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