神が宿るところ

古社寺、磐座、不思議・パワースポット、古代史など極私的な興味の対象を見に行く

神崎神社(千葉県神崎町)(下総国式外社)

2014-02-15 23:07:18 | 神社
神崎神社(こうざきじんじゃ)。
場所:千葉県香取郡神崎町神崎本宿1944。国道356号線佐原バイパス「神崎大橋際」交差点から南下、「神宿」交差点を北に入り、道なりに進むと駐車場がある。
創建時期は不明。社伝によれば、白鳳2年(662年)に常陸国と下総国の境である大浦沼二つ塚から現在地に遷座したという。明治時代になってから現社号に改称したが、それまでは「子松神社」であり、「六所鎮守」、「神崎大明神」、「神崎大社」等ともいわれていた。延喜式神名帳には載せられていないが、 「日本三代実録」の元慶3年(879年)の条に「駿河国従五位上の御廬神に正五位下、下総国正六位上の子松神に従五位下を授ける」とある、その「子松神」であるとされる。いわゆる式外社、国史現在社に当たる(なお、同時に神階授与された「御廬神」は、駿河国三宮で式内社の「御穂神社」(2010年10月5日記事)である。)。
主祭神は、天鳥船命、大己貴命、少彦名命の3神であるが、このうち天鳥船命(アメノトリフネ)は鳥之石楠船神(トリノイワクスフネ)ともいい、いわゆる国譲り神話では建御雷神の副使として葦原中国に派遣された神であるとされる。建御雷神は常陸国一宮「鹿島神宮」の祭神であり、建御雷神と対を成す(一説に同一神ともされる)経津主神は下総国一宮「香取神宮」の祭神であることから、この2つの神社との関係が深いことが窺われる。
現在、当神社の境内地は約7千坪あるというが、社叢林は「神崎森」といわれて全域が千葉県の天然記念物に指定されている。その中でも、拝殿の横にある「神崎の大クス(楠)」(国指定天然記念物)は幹周約8.5m、高さ約27mという大木で、明治40年に火災に遭ってかなり傷んではいるものの、なお樹勢は旺盛。延宝2年(1674年)に水戸黄門こと徳川光圀公が当神社を参詣した際、「この木は何というもんじゃろうか」と言ったというところから、「なんじゃもんじゃの木」と呼ばれるようになったという。


千葉県神社庁のHPから(神崎神社)

玄松子さんのHPから(神崎神社(神崎町))


写真1:「神崎神社」境内入口。「双生山」・「ひょうたん山」などと呼ばれる小高い場所にあり、北側は利根川が間近で、古代には「香取海」に面していただろうと思われる。なお、参拝時は東日本大震災の後で、鳥居が失われていた。


写真2:社殿


写真3:「神崎の大クス」、一名「なんじゃもんじゃの木」。樹齢推定約1300年


写真4:同上(横から)
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