神が宿るところ

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長者山 阿弥陀院 根本寺(銚子の安倍晴明伝説・その2)

2014-06-14 23:06:40 | 寺院
長者山 阿弥陀院 根本寺(ちょうじゃさん あみだいん こんぽんじ)。通称:垣根の仁王尊(かきねのにおうそん)。
場所:千葉県銚子市垣根町1-338-1。国道356号線「柴崎町」交差点から東に進み、突き当りを左折(北へ)、約180m。駐車スペースあり。
銚子の安倍晴明伝説には多くのヴァリアントがあるが、それらを総合すると次のようになる。即ち、花山天皇の失脚によって身の危険を感じた晴明は、生まれ故郷の常陸国筑波に逃れたが、そこから更に下総国に行き、海上郡三宅郷垣根村にあって海上郡随一の長者と呼ばれた根本右兵衛義貞の屋敷に身を寄せた。根本義貞は鮭を捕る名人で、それで財を成したともいわれるが、娘の延命姫の顔には鮭の「はらご(卵)」のような赤痣があり、鮭の祟りかと噂されていた。この延命姫が晴明を恋い慕うようになり、長者の懇請によって、晴明も一度は婚約を承諾したが、思い直して長者屋敷を逃げ出した。追ってきた延命姫から逃れるため、晴明は屏風ヶ浦の断崖の上に着物と履物を脱ぎ捨て、海に飛び込んだと見せかけた。そうとも知らぬ延命姫は、自ら海に身を投げ、亡くなった、という。
当寺は、この延命姫の菩提を弔うため根本義貞が営んだ庵が創始であり、「長者屋敷」の跡であって、山号・寺号はこの伝説に因むという。そして、境内には「長者屋敷跡之碑」と「延命姫供養塔」の石碑が建てられている。

(注)銚子の安倍晴明伝説は、陰陽師の名を「清明」としているのが普通だが、ここでは「晴明」と表記した。


写真1:「根本寺」仁王門


写真2:本堂


写真3:境内の「史跡 長者屋敷跡之碑」


写真4:同じく、「延命姫供養塔」
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