神が宿るところ

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七座神社(三湖物語 ・その3)

2016-12-10 23:46:47 | 神社
七座神社(ななくらじんじゃ)。通称:七座山天神宮。
場所:秋田県能代市二ツ井町小繋字天神道上67。国道7号線「小繋」交差点から秋田県道3号線(二ツ井森吉線)に入り南下、約1.4kmのところに白い鳥居があるので、その下を潜り直進(南西へ)、約350mで境内入口。駐車スペースあり。
社伝によれば、斉明天皇4年(658年)に阿部比羅夫が蝦夷征討の際に創建したという。「綴子神社」(前項)と同様、「日本書紀」の斉明天皇4年の記事にある「齶田浦神」、また斉明天皇5年(659年)の記事にある「彼の地の神を祀る」というのが当神社のことであるとするものののようだ。元々、当神社からみて米代川の対岸(左岸、当神社の南)にある「七座山」は「権現座」(標高287m)と呼ばれる峰を主峰として7つの峰が連なる山がある。本来、「座」というのは岩石が多くて険しい場所という意味だそうだが、その「座」にそれぞれ神が居る、との信仰があり、また、修験の修行の場でもあったようだ。当神社は別名「(七座山)天神宮」といい、菅原道真公も祀られて学問の神ともされるが、本来は「七座山」を祀った自然神であったのかもしれない(ただし、阿部比羅夫創建というのは流石に信じ難い。)。なお、当神社の祭神として國常立尊(天地開闢のとき最初に現れた神で、人格性はない。)なども祀られていて、「天神」とは本来は「天津神」であり、自然神信仰を起源とすることを示しているのだろう。
さて、当神社にも、十和田湖・八郎潟・田沢湖の「三湖物語」に関わる伝説が残されている。即ち、十和田湖を追われた八郎太郎は、米代川を堰き止めて大きな湖とし、そこに棲もうとした。これに驚いた七座山の天神は、何とかして八郎太郎を追い出そうとした。そこで、伝説の1つは、米代川の流れの中に大きな石があるが、これが七座山の天神と八郎太郎が力比べをして投げた巨石だというもの。もう1つは、天神が使わしめの多くの白ネズミに命じて土手に穴を開けさせたので、八郎太郎は一気に下流に流されていったというもの。このとき、猫が白ネズミたちを捕まえることがないように、天神は猫に蚤(ノミ)を付けないと約束するかわりに繋いでおいた、ということで、猫繋(ネコツナギ)という地名が生まれた。現在は、「ネ」の字が取れて「小繋(コツナギ)」という地名になっているという。


秋田県神社庁のHPから(七座神社)

写真1:「七座神社」の県道に面した大きな白い鳥居。


写真2:境内入口の鳥居。


写真3:米代川の船着き場から上がってきたところにある鳥居。その傍に「三湖物語」所縁の地であることを示す標柱が立てられている。


写真4:同上、米代川側から。


写真5:社殿
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