眠れない夜の言葉遊び

折句、短歌、言葉遊び、アクロスティック、夢小説

面倒な続き

2019-01-02 08:47:31 | 短歌/折句/あいうえお作文
エッジある
お餅を食べて
参ろうか
いざ新年の
挨拶回り

折句「エオマイア」短歌

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夜明けのダイヤ

2019-01-02 03:52:36 | 短歌/折句/あいうえお作文
壮大にすぎたプロローグを受けて君が見つける宇宙のつかみ


おはようとおやすみ交じり合う空の下に広がる猫のたくらみ


明け方の搬入迎えスーパーは夢のアトラクションに近づく


スマホすべりの指先が行き過ぎる朝のホームは5分刻みに

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地獄からの復活

2019-01-02 03:29:35 | 気ままなキーボード
チームは泥沼の連敗地獄から抜け出せなかった。今日もエースは連打をあびて試合半ばにはいつものように炎上状態になっていた。いつものように監督は足取りも重くマウンドに向かう。
「おい。大丈夫か?」
「見ての通りですよ」
「お前を送り出したことは俺の恥だ」
「よくそんなことが言えますね」
「今となってはもう遅い」
「まだ終わっていません」
「形の上ではな」
「形があればいいじゃないですか」
長い長い話し合いの時間が持たれた。審判も観衆も皆が思いやりの精神を持って結論を待った。
「選んだのは私だが、打たれたのはお前だ」
「勿論そうです」
「責任はちゃんと取ってもらうぞ」
「勿論そのつもりです」
エースに発破をかけて監督はベンチに下がった。満塁走者を背負いエースは再び孤独になった。バッターボックスには見覚えのある顔がある。
「お前。さっきはよくもやってくれたな」
リベンジの機会が回を変えずに巡ってきたのは幸運だ。先の結果を踏まえてキャッチャーは慎重にサインを送る。投手は確信を持って頷いた。今度は負けはしない。渾身の一球を強打者の技術が打ち砕いた。見事にとらえられた球は美しい放物線を描いてスタンドに飛び込んだ。またしても満塁ホームランだ。打者は喜びを使い果たしたのか、無表情を保ったままホームに帰ってくる。
仲間たちが自然とエースの元に集まった。
「大丈夫か?」
「大丈夫ではないが大丈夫だ」
「本当に大丈夫か?」
「本当でもうそでも大丈夫だ」
「お前を先発させたことを私は心の底から悔いている」
いつの間にか輪の中に監督が紛れ込んでいた。
「いまさらなんですか?」
「そう。今となってはもう遅い」
「監督。まだ試合は終わっていませんよ」
「そうです。まだ終わったわけではありません」
試合半ばで席を立ち始める人が目についた。賢明な観衆はゲームの行方を既に見切ってしまったのかもしれない。
「帰りたい人は帰ればいいんだ。僕たちは帰らない」
「そうだ。僕たちはまだ帰れないんだ」
「まだ試していない球があります」
「そうか。まだエースのプライドは残っているようだな」
「次こそは抑えてみせます」
「その言葉にうそはないな。どこにも逃げ場はないぞ」
「僕は逃げません」
「そうだ。皆で戦い抜こう!」
「ここから始まるんだ」
「何回でも始められる」
「それが俺たちのダイヤモンドだ」
「おう!」
「よし。しまっていこう!」
円陣が解かれてから間もなくエースは連打をあびて瞬く間に満塁のピンチとなった。走者が一掃されることはもはや周知の事実でさえあるようだった。猛打線が容赦なくあらゆる球種にかみついて放さなかった。試合を通してエースが炎に包まれていない時間は皆無だった。三者凡退。そのような言葉は久しく聞いたことがない。火だるまのエースが中心になってチームは連敗を繰り返した。気づけば最下位の独走状態となり、ファン離れが加速していった。フロントは緊急の会議を開きチームの建て直しが急務であることが確認された。
「君に責任を取ってもらうぞ」
本格的な大改革に向けて監督の続投が決まった。
「チーム一丸となって頑張ります!」

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