眠れない夜の言葉遊び

折句、短歌、言葉遊び、アクロスティック、夢小説

半裸のライセンス

2019-08-02 21:22:00 | ワニがドーナッツ!
「ちょっと止まって! 何してんの? 駄目でしょうよ」
「えっ、何が?」
「駄目に決まってるでしょ。パン一で歩き回ったら」
「でも、シャツ一枚しか持ってなくて」
「えーっ、そうなの。それでその一枚は今どこに?」
「今ちょうど洗濯中で。でも外出もしなくちゃ。というわけで」
「というわけで? だめだめ。あなた大人なんだから。考えたら駄目ってわかるでしょ。子供だって駄目なんだから」
「でも今洗ってるし」
「洗濯中っていうんだったら、外出控えるなり、誰かに借りるなり、あるでしょ普通」
「いえ。外出はもうするに決まってるんで」
「いずれにしてもね、その格好はまずいよ。あなたまずいと思わないの?」
「あー。これ持ってるんですけど」 

ワニがドーナッツ!!

「え、何? ん?」
「おい、これ、あれだな」
「文部大臣発行のパン一許可証です」
「これは確かに。誠に失礼いたしました!」
「失礼いたしました!」
「そうかね。じゃあ行っていいね」
「はい。お気をつけて!」
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指先の未来

2019-08-02 04:42:00 | 短い話、短い歌
 ささやかな楽しみを集めれば希望はある。ほんの小さなコンビニのアイスだっていい。朝の犬の散歩でもいい。週末のリーグの試合でもいい。月曜日の新曲のリリースでもいい。希望が大きく膨らむために、今が少し萎んでいてもいい。気が遠くなるほど遠い景色でもいい。君なら想像できるはず。想像の中で好きを育むことだってできる。ささやかでいい、遠くてもいい。希望があると思えるだけで。少しは笑って生きられる。今は問題じゃない。希望は少し離れたところにあるのだ。


指先が
棋理を払って
飛翔した
4手向こうは
鰻の高み

(折句「ユキヒョウ」短歌)
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引用のたずね人

2019-08-02 03:45:00 | 【創作note】
アップデートが繰り返され
ついにペーストは
改行の形を残してくれた

貼りつける瞬間
いつも質問が入る

「それってどうなんだろうな」


一歩で行けるか
二歩かかるのか……
(一回きりなら一歩の話だが、繰り返されると話は変わる)

案外、そういうところで人間の行動は変わってくるよ
行くべきところが、行けなくなる
だんだん足が遠のいていく(……なんて更新したくなくなる)

一歩の差で運命まで変わる

人の心というものは
それほどに繊細だから
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