5キロほど背負うと少しふらつくのでバランスに注意が必要。詳細欄には「キャップをあけておく」とあったが、よくわからないのでとりあえず無視する。コンビニでのピックはいずれにしろ近所だ。ほどなく川沿いにある小さなマンションに着くとインターホンを鳴らした。
女性の声で返事はあったがオートロックは解除されない。しばらくして1階の部屋からおばあさんが出てきた。おばあさんがゆっくりと歩いてきて、自動ドアが開いた。
「何か注文していますか?」
心当たりがないようなので、僕は不安になった。
名前を確認すると間違いはないようだ。
「息子が頼んだのだろうか?」
家族がいればそういうケースも考えられた。
「今家にいらっしゃいますか?」
「あれは今は東京に行っとる」
そうか。そういうことか。
僕は飲料の入った袋をおばあさんに見せた。
「キャップあけてくれた? 私手がわるいから」
「まだ何もしてません」
袋の中には大小あわせて7本の飲料が入っていた。すべてのペットボトルのキャップをあけてから、軽くしめておいた。
「ありがとうございます!」
(ケチャップを2つもらってきてください)
僕は昨日完全にスルーした詳細欄のことを思い出した。
そうだ。
メッセージは、誰かのために送ることもできるのだ。
配達完了!
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます