ライオンをまいたらゆっくと皿をとる。それが午後に描いていた構想だった。ライオンは思っていたようなライオンではなかった。12月のライオンとも4月のライオンとも似ていない。強情で、執念深く雨を恐れない。スタミナのあるライオン。羽を伸ばすライオン。風に乗るライオン。あの曲がり角まで行ったら。何度もイメージした孤独を、ライオンは許してはくれない。「いったいどんなライオンなんだ」歩みを止めぬライオン。胡坐をかいたライオン。竜を切るライオン。鬣の先のおやつを読みながら、君は走り続けなければならない。ライオンを振り切るまでは、おやつはおあずけだ。
優勢を
築いた後の
膝上で
洋梨をさし
受ける名人
(折句「ユキヒョウ」短歌)
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