いよいよ私の番がやってきた。
「リクエストは3つまで」
どういう形に生まれ変わるか。それは生き物にとって最も大きな問題のように思える。だからこそ、簡単にこれと言えるものでもない。長い時間をかけて考えても、結局答えはないのかもしれない。
「さあ、リクエストはないのか?」
希望や憧れが全くないというわけではない。だが、何にしても善し悪しがありそうだ。同じことを繰り返すのも芸がない気がするし、かけ離れた種に変わるのもそれはそれで恐ろしい。しかし……。
「早く言え!」
どうやら私のことを思ってのことらしい。
「1つ言え!」
「運命に委ねるな!」
友よ。どうしてそれがいけないのか。
「タイム・アップ!」
ルーレットが回り始めた。
もうあとは待つのみ。なるようになれだ。私が選ばなかったことも、記憶には残らない。すべては新しく始まるのだ。ルーレットが減速する。魚の枠を外れた。鳥の枠を過ぎた。あと少し、あと少し……。
「人間」
私の来世は人間に決まった。
「あーあ」
まるで哀れむような声だ。
「だから言ったのに」
どうかな。
(そんなに駄目かな)
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