渡辺竜王は、振り飛車党には必ず初手▲2六歩と指して、後手の石田流を一手目に封じてしまうのが、いつもの指し手。
これアマ選手には少々勇気が必要で、△8四歩とされた時に角換りか、相掛りが指せないと選択出来ない手になっている。
対して谷川九段は、初手△3二飛+△4二銀で対抗する。
☆: 4手目△4二銀は今年の5月に佐藤康光九段が指した新手。先手の目が慣れていないこともあるが、後手が6勝0敗の成績を残している。
現局面は将棋世界最新号(2012年1月号)の【イメージと読みの将棋観】でも取り上げられており、その中で谷川は△4二銀の局面について、「ゴキゲン中飛車の角交換型と比べて5筋の歩突きが保留できて、後手の駒組みに柔軟性がある」と感想を残している。
一方の渡辺も、「後手番変化球の1つとしては確立している」と戦法の優秀性を認めている。
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アマ選手でも、居飛車も振り飛車も指せる人は、こうなると相手に的を絞らせないから羨ましい。
しかし、▲7六歩△3二飛に▲7八飛などの相振り飛車にセットできる対策を持ってないと、指せない気もする。