続き。
茨城国体で日本一。kd先生とkrk君をサポートしながら進めてきました。今年は例年になく練習会を実施し、そこで指導をさせてもらうという機会が頻繁にありました。2年生の初め頃から「ヨンパで日本一」を目指して取り組んできました。まだまだ伸び代がありこれからが楽しみな選手。きちんと走れれば50秒台も可能だと感じていました。
国体前日刺激はメイン競技場で。風の状態を見ながらでした。走り自体は全く問題なし。練習は9レーンでしか跳べません。予算は3レーン。9レーンで走っていてもスピードが出すぎて外に振られます。一緒に見ていたkd先生からも指摘を受けていました。右肩が開くのでその部分を意識する。歩いて戻るときに「リードアームの使い方」を意識しながら歩いていました。結果、走りが完全に改善される。見事。最後に150を1本走るということでした。「レース3レーンなので3レーンでスピード意識しながら走ってもいいですか?」と自ら申し出てきました。こういう部分はよく考えているなと思います。
大会1日目の1次アップ。それなりに動いて終わり。もう少し動いたほうが良いのかなと思っていましたが「予選に向けて」という意味付けで実施。アップ終了後、フィニッシュ地点にクローバーがあったので「四つ葉のクローバーがあったら勝てる」というのでひたすら探す。20分くらい探したでしょうか。本当に本人が見つけました。すごい話です。
予選。アップの時に少し硬くなっているかなという気はしました。私自身はサポートしながらある程度の戦略を伝える。レースの流れを伝えながら。サブトラックと競技場の向きが違います。風の条件も違う。その辺りは意識していました。レース自体は1台目がかなり詰まる。それにより流れが作れませんでした。無理やり5台目まで13歩で行って6台目が逆脚。流れが悪い中で追い上げていき2位になった時点で流して3位。「1台目が合わなくて混乱した」とのこと。2位だとアウトレーンになるために最後順位調整をしたということでした。
関わり方を反省しました。気負いすぎる部分をサポートしないといけないのにそれが出来なかった。レース展開ばかり意識しすぎて必要なことができない。kd先生から「考えずに行くほうが良い」と言われました。感覚的に鋭いので余計な情報を与えないほうが良いということだと思います。本人の性格を一番把握しているkd先生。私が出すぎることはマイナスになるなと。「~したほうが良い」というアドバイスは技術的なことだけにするように心がけることにしました。
2日目の朝、準決勝のための1次アップ。ハードルと跳んでおきたいということだったのでそれに合わせて。本人が「こうしたい」というのに合わせて動くようにしました。ここから動画を撮って本人の感覚と動きのすり合わせをするようにしました。やりたいと思っている動きと実際の動きがどのように違うのかも把握したいので。良い動きでした。「いいっす」ということで1本で終了。本アップの最後に刺激として150mを1本。前半の13歩を意識して走ったということでしたがかなりスピードが出ていました。
準決勝。9レーン。優勝候補の選手が内側のレーンに。離れていたので関係なく前半からしっかりと走っていました。4代台目まで13歩で。6台目が利き足で跳べたので流れも崩れず。8台目までで3人が並ぶ状況。9台目を越えて横を確認する。更に10台目を越えても確認。余裕をもって2位でフィニッシュ。51秒06で県記録更新して決勝へ。理想的なレースだったと思います。10台目を越えてから強いので力を出し切れば50秒台に入っていたと思います。
決勝、5レーン。優勝候補の選手が4レーン。IHと全く同じ展開でした。前半から同じ流れで進んでいく。3-4台目でライバルがスピードを上げる感じがありました。そこで一気に差が詰まる。1歩前を行かれる。それでも4台目まで13歩で走ってそこから切り替える。直線に入るときには少し遅れていました。10台目を越えた時点で差がありましたが追い込む。届きませんでした。51秒29で2位。IHが3位でしたから順位を1つ上げてのメダルとなりました。
レーンが逆だったらどうだったか。分からない部分ですが。また違う展開になっていたと思います。マークされていたのは間違いないと思います。悔しさも大きいですがタイムとしても立派な記録だと思います。日本一を目指してやってきたので「満足」
はkrk君にもkd先生にもないかもしれません。私が何かの役に立ったのかもわかりません。関わり方としても良かったのかどうか。私が余計なことをしてしまったかもしれない。それがなければ勝っていたのかもしれない。「たられば」なので何とも言えない部分ですが。
国体のコーチとして15年近く指導に関わらせてもらっています。指導させてもらえる中で多くのことが学べています。「自分が関わったから結果が出た」とは思いません。このblogを読んでいる方がどのように感じるかは分からないですが。必要なことを必要に応じて提供する。そういう部分が必要なのかなと。2年近くkrk君の指導に関わらせてもらえました。ここまで感覚が鋭い選手は初めて出会いました。貴重な財産だと思っています。
表彰式が終わってkrk君とymd選手と一緒に写真を。それとは別にnsy選手も含めて「ヨンパチーム」として一緒に。こうやって撮影できることは本当に嬉しいなと思いますし、誇らしく感じます。「またkanekoが・・・」と思われるのかもしれません。これはとらえ方によって違うと思いますが。記念になる写真が撮れたというのは大きいなと思います
今回の国体の得点源になるであろう400mH。2種目で上位入賞が出来ました。少しは役割が果たせたでしょうか。こうやって指導する中で「自分が指導する選手で日本一を目指したい」と強く感じるようになりました。今初めてではなく前からずっと思っていたのですが、今回の経験でその想いはさらに大きくなる。指導者としての私自身の器がどれくらいなのかは分かりませんが。やるからにはそこを目指したいなと強く感じました。
また書きます。