今回は前の記事にも書いていますが400mHで複数入賞が期待できる状況でした。付き合いが長い成年選手達や昨年から定期的に指導に関わらせてもらっているkrk君が自分達の力を出せれば決勝で戦えるという感じがありました。こちらもハイレベルな選手達と関わらせてもらえる部分に感謝しています。
成年女子のnsy選手は高校時代に400mHの県記録を更新しました。更新した記録は私が以前メニューを毎日作っていた選手が出した記録。感慨深いものがありました。その記録は数ヶ月後に別の選手に塗り替えられることになるのですが。
昨年、初めての国体代表になりました。高校3年時は100mHしかなかったので基準記録に遠かったので。少しずつ記録を縮めていき昨年は念願の400mHでの代表へ。最後のヨンパのレースになると迎えた福井国体。スタートして直後にスターターのピストルの暴発。それにより数人がスピードを緩める。が、誰も止まらないので再加速して走り始める。納得できる形ではないので上訴しましたが認められず。直接説明をするというので本人が聞きに行きましたが出てきた時には涙が止まらない状態でした。納得できない部分でした。
それから1年間。まだ競技を続けてくれています。そうやって勝ち取った国体代表。中国選手権で大会記録で優勝し直前の大会でも60秒10の自己ベストを出す。更には念願の教員採用試験への合格。夢に向かって進みながらもこうやって競技でも結果を出してくれる姿を近くで観れるというのはありがたいですね。
今回はバックストレートが向かい風。本人にとっては不利なレース展開になります。前半型の選手が楽に走れるので後半にエネルギーが残る。nsy選手は典型的な後半型。そこまでに差をつけられてしまう。それは前から分かっていることなので。
レース自体はホームストレートが強烈な向かい風でした。流れとしてはnsy選手は自分の力を出せていたと思います。ラスト100mが持ち味なのですがそこが強烈な向かい風。全く進まないくらいの風でした。前半でつけられた差を少しずつ詰めることができましたが届かず。タイムとしては本人は納得できないかもしれませんが昨年のように「力を出しきれない」というレースではありませんでした。良い表情をしてくれていました。
成年男子のymd選手。昨年4位入賞。あと一歩でメダルという所まで来ていました。レースまでに話を聞いておきたいなと思っていたことがありました。6年ぶりに自己ベストを更新していました。6年前の49秒台と今の49秒台の違い。大学時代のベストは「勢い」で出したと言っていました。今は「400mHのレースをしている」と。力の配分を含めて400mを全て使って力を出し切る。途中でガス欠を起こすようなレースや力が余ってしまうレースをしないという事でした。大きなことだと思います。経験値が高いから分かってくることも多いと思います。
予選。事前にレース展開を聞いていました。本人の話していた通りの展開。10台目を越えてからしっかりと走って2着で決勝進出。ホームストレートが強烈な向かい風だったので9-10をとっさに17歩に切り替えたということでした。判断ができたおかげで大きな減速をすることなく走れたのだと思います。冷静。
決勝は9レーン。前半から内側の選手達が飛ばしてきます。それでも自分のレース展開を保つ。流れはymd選手のいつも通りの感じ。15歩になってからしっかりと走れていました。直線に入ってから全体のスピードが鈍ってくる中でスピードを維持して10台目を越える。怒涛の追い上げをしてくれました。
結果は4位!!2年連続で入賞でした。本当にすごい走りでした。メダルまであと一歩のところでした。数年間結果が出なくてもどかしい時期もあったと思います。それを乗り越えての連続入賞。リーダー的な存在。チームを引っ張ってくれています。働きながら競技に取り組み、結果を出してくれる姿は周りの選手にとっても大きな刺激になります。
nsy選手は本来であれば早い便で帰る予定でした。しかし、krk君とymd選手のレースが見たい、サポートしたいと申し出てくれました。レースが終わるまで現地に残って応援&サポートしてくれることに。これもありがたいなと思います。
男女400mHの選手がチームで一番歳上という形でした。長男長女という感じでしょうか。我々とは違う形で少年選手と関わってくれます。これも学校のチームとは違う国体の醍醐味なのかなと感じました。
成年選手はそれぞれの役割を果たしてくれたと思います。こういう時間を共有できる。幸せな時間だと思います。
また書きます。