思うことを。
この半年間、それ以上の期間かもしれません。とにかく長い間「本当にやりたい」という陸上競技ができていない自分がいました。競技力云々ではなく「成長を促すためか指導」というのができている手応えがない。ここは感覚的に分かってもらえないと思います。目の前で起きていることに対して「出立て」が見えない。霧の中で指導をしている感じが強くありました。その霧が晴れる感覚がない。
国体合宿などで指導する機会がある。ここに救われていた感覚。この場では「技術的な指導」に特化できます。そうなると選手に対して必要なことを伝えることができる。感覚のすり合わせをしながら次の動きをどうするか。それは胸躍る前向きな時間になります。
こういう場面だけで指導をするのは誰にでもできると思います。実際にチームを作って戦っていくことの難しさの方が大きくあります。チームとしての指導をする。その中で方向性がどこに向かうか。きちんとした方向に進むためには「考え方」が統一される必要があります。そこができなければ力の方向が定まらないからです。
国体に出場する選手は方向性が定まっています。試合で結果を出す。そのためにやるので細かい事を詰めて話す事ができる。ハードなメニューであっても目標に向かって進んでいく事ができます。ここは大きな話だと思います。今は「その気にさせる」というところからスタートしなければいけない。正確にいうともっと前の段階から指導しなければいけないパターンさえもある。
何人かは「強くなるために」を真剣に考えています。その選手達に救われている部分はある。ここの部分をもっと考えないといけない。多少痛みを伴う部分はあるのかもしれない。「競技力を上げたい」とうちの学校を選んでもらえるチームにするためには「その気になる」選手達を育てなければいけないなと。埋めがたい感覚の差はあります。それでもそこをどうするかを考えていかなければいけない。
県体1日目の終了後、短距離長距離を全員集めました。土曜日は長距離が試合に来ないので全体で集まって話をする機会はないからです。駅伝がありますが全体としてやるべきことを示しておきたいなと。今のままでは「戦うチーム」にはならない。今のメンバーで戦うためには「根本的な考え方」から作り直していく必要があると感じていたからです。
そこで年度当初に配布する資料を全員に配りました。そこに書いてあることは絶対条件。難しい話ではなく本当に「基本的なもの」です。そこがベースになって進んでいく。以下、配布資料の内容を載せておきます。ここをベースに考えていきたいと思います。
活動方針について
基本的生活習慣を身に付ける
「高校生」としての意識だけでなく、「社会人」としての意識を持つこと。
「速く走ること」は一時的なこと。競技を通じて「人間的成長」をすることが今後の財産となる。そのために、以下の項目を日頃から心がけて活動していく。
①一生懸命に物事に取り組む(全てのことで手を抜かない)
②自分で考えて行動をする(周りの人に気を配る)
③誰に対しても大きな声で挨拶をする(普段から大きな声を出す)
④ルールを守る(部活だけではなくすべての場面で)
⑤感謝の気持ちを持つ(やってもらって当たり前ではない)
トレーニングコンセプト
1.基礎の徹底(基礎技術・基礎筋力)
技術的なものやスピードを支えるのは基礎体力・基礎筋力。特にバランスのとれたトレーニングを大切にし、全身筋力・全身持久力の向上を目指す。焦らず年間を通じて基礎的な部分を行う。走る練習も大切だか基本的なドリルに時間をしっかりとって練習をすることで確実に力が上がっていく。
「運動ができない」選手はいない。今の運動能力は「身体の使い方」を自分がわかっていないだけ。毎日の練習の中で「身体の使いかた」を身に付けることで競技力は自分で思っている以上に上がる。
2.練習内容の理解
「なぜこの練習をするのか」「この練習が走りにどうつながるのか」を自分で理解する。一番効果がない練習は「とりあえずやる」こと。指導者から「やらされている」という練習ではどれだけやっても強くならない。「強くなりたい」「速くなりたい」と真剣に思えば自分自身で努力できるようになる。走りの技術も「形」を真似するのではなく「実際の走りでどの部分で生かされるか」がわかってくると同じ練習をしても面白くなってくる。言われていることを理解する努力を。
「前に進む」ことだけを考える
「形」だけにこだわり過ぎず、自分が「前に進む」ために何をするのか
「Good Loser」となる
「やるだけのことをやった」と負けた時に自信を持って言える人間になる。
そのためにできることは全てやる。「be a good loser」