何となく思うことを。
うちのように「普通の選手」がどのように練習をしていくか。ここは大きな課題があると思っています。陸上競技はシンプルに「差」がでます。ほとんど練習をしていなくても「速い」選手は存在します。そのような選手であればどのような形の練習をしてもある程度は速くなります。身体作りをするだけでも出力が上がるし、身体が安定してくるので速くなる。
うちは普通です。だからどのように練習を組み立てるかが重要なのかなと思っています。根本的な部分として「練習うに真面目に取り組む」というのが必要です。「雨が降ったら練習が休み」と喜ぶ部活動もあると思います。それはベースに「練習はやりたくない」というのがあります。「速く走れるようになりたい」と思うのであれば「練習を積む」というのは当然ながら必要になります。「走れないからラッキー」と思うのは困るなと。同時に「練習をしなければいけない」とヒステリックに思い込むのも避けたいなと。「練習をやらなければいけない」という思いが強すぎてしまうと結果的に良い方向には進みません。そういう部分も考えながらかなと。
前の記事に150mを久々に走ったことについて触れました。気になって見直してみると殆ど走っていません。前走ったのを探すことさえ難しい。それくらいやっていない。この数年は120mを時間を空けて行うような形になっていました。本数も少ない。こうなるとうちの選手には効果が下がってしまうのではないかなと。きれいな練習になってしまう。
前任校で400mを中心にやっていたときは150m×5本を3セットくらいはやっていました。400mトラックを使って50mwalkで1分つなぎ。これはかなりハード。自分自身が現役の最後の方で経験した「150mは恐ろしくしんどい」という部分と師匠が「150m中心」だったことが一致したからです。1分レストでの5本は半端なくきつかったと思います。それでも「マイルでインターハイへ」という思いが選手を突き動かしていました。上述の「ヒステリックな練習」に近いものがありました。当時は気づけませんでしたが。
そこから競技場に行かずにグランドで練習するようになり150mや120mを中心に走るようになしました。400mを中心にやっていたときはスプリントに関する考え方も今よりももっとアバウトでした。技術的なことをやっているようで本当にやるべきことにはなっていなかった気がします。短い距離をある程度走りながらでした。バトンを中心に練習を組んでいたので気がつけば無名校から12秒14、12秒17、12秒36の3人の選手が出ました。もちろん、選手が「普通」ではなかったのかもしれません。このあたりのことも今の練習のベースにはあります。
いつの間にかきれいな練習になっている。更に「技術的なこと」が多くなっていてしっかりと走ることが減っている。300mを3本とかが「しっかりと走る」という位置づけではありません。距離的なものよりも「最大スピードを出す」「最大スピードを維持する」ことを大切にしなければいけないのではないかと考えています。昨年度は120m-120m-90mを1セットやることが最大になっていた。これでは「走りながら身につける」ことができないのかなと。時間をかけてでもこの距離を数セットやるほうが今のうちの選手には合っているのではないかと。
「ショートスプリント」と「150m」は同じ日に組み合わせるようにしています。これも正解かどうかはわかりません。うちにとっては「150m」は長い距離です。それだけを走るのは避けていなと思っています。あくまで「ショートスプリント」中心に最大スピードを上げるための練習をしていってそれを「150m」につなげていく。この距離が最後まで走りきれるといいのかなと。
単純に「150m」を走るわけではありません。今更ですが「T走」と書いているのは「タイヤ走」です。練習環境のこともあり坂道などで走れない。それを補うためにT走を入れています。前に進みたいけど進めない。それでも膝の引き出しと腰の移動を合わせていく。軽いタイヤを引っ張るようにしています。パワートレーニングではなくあくまで「技術練習」としての位置づけです。「加速段階T走」では意図的に重くするためにブロックやプレートなどを入れます。最初の数歩で大きく重心を動かすためのある程度力を発揮しなければいけない。使い分けです。
150mTをすると間違いなく最後の方は進まなくなります。疲れてきて接地荷のポジションが前にずれるからです。良いポジションに入ろうとしてもタイヤの負荷で腰が進まなくなります。前接地になると進まない。これを最後まで身体の真下で捉える感覚になるかどうか。makinoは高校時代、鬼のようにタイヤ引きが強かった。タイヤ引き100m選手権があったら間違いなく勝っていたと思います。パワーがあったからという話もありますが。
前任校では120mTの頻度が高かった。技術的なこともやっていましたが「動きながら身につける」部分が多かったと思います。この部分はやはりやり続けなければいけない。しんどいメニューなので「前向き」でなければできません。T走で往復などをするのではなく今のところは1本1本最大スピードで走ることがメインとなっています走り終わったら斜めに歩いて戻る感じです。「追い込むこと」がメインではなく「技術的な変化を生み出すこと」がメインです。
「ショートスプリント」と「150m」の組み合わせ。「150m」と「T走」の組み合わせ。これを続けていきたいと思っています。技術的な変化を求めるあまり、「考えすぎる」ことが怖いなと思う部分がありました。これを克服するためには「走りながら身につける」ことが重要。「わからないでやらない」ドリルと「わかっているけどやらない」ドリルはあると思います。技術的なことを抜き出してやることで「動きの基礎」を意識づけながらもっと「動きながらやる」部分を大切にしたいなと思います。
まとまりませんが。一応頭の中にあることを文字にしておきます。