本当は前回のハードルの練習のことを詳しく書いておきたかったのですが。時間的なこともあり、自分自身の「意味」を考える部分もあってかけていません。もう1週間以上経過しているの今更練習のことを書いてもね・・・という気持ちがあります。
前回の練習会の時にはショートハードルとヨンパに分けて実施しました。どちらも工夫次第で色々な練習ができるなと思っています。練習の目的によってやる内容を変えることができる。ショートハードルで「ひたすら最初の段階を跳ぶ」というのではなく「試行錯誤」する中で「こういう動きができればいいよな」というのが出てきます。そうなると練習のパターンが増える。冬季練習でハードルをほとんど跳ばないチームもあると思います。試合が近づいてきてから練習を取り入れる。確かにそういうパターンもありなのかもしれません。冬季は「基礎体力作り」と「走り込み」がメインになるというのもわかる気がします。
今の学校に赴任してから「専門練習」を圧倒的に増やしました。これまでは「走練習」のなかでハードルを跳ぶというのはやっていました。防府商工の時には他の選手がタイヤ引きをしている間は「60mハードル」を。これは3歩ではなく基本5歩で。技術的なことというよりはひたすら跳ぶ中で感覚を作るというイメージ。スプリント系が120mを走るときには120mHを。特に「細かい部分」をやるのではなく走練習の中にハードルを入れるという感じで実施していました。それだけでも全然違うと思いますが。
この2年間はかなり細かくやるようにしています。目の前にそれを体現できる選手がいるというのもありますが。やりたいなと思っていることが実際にできることは大きいなと思っています。前半部分の練習に関してはひたすらやっている感じがあります。2回専門練習を入れるのであればどちらも「前半部分の練習」をする。ここは外せないかなと思っています。まだ試行錯誤的なところはありますが、大阪室内の結果にはつながっていると思っています。
あとは5歩ハードルを多用しています。先日、大学生に配った資料の一部を抜粋。これが正しいかどうかは分かりません。あくまで自分自身の指導の感覚でしかないので。3歩で走る練習も必要だとは思いますが、5歩ハードルのほうがスピードが上がります。効果は高いかなと。
・5歩ハードル(11.5) 6台 14秒5くらいからの選手はこの距離が理想
ハードル間を11m、11.2m。11.5mと自分の走力によって調整していく。
選手によって距離変更をすることが重要。
※この練習の狙いは「ハイスピードでのハードリング」の習得になる。1台目までを10歩で入り、そのスピードを最後まで維持する。間の5歩のリズムを安定させることで3歩のリズムの安定にもつながっていく。
※100mHはハードルインターバルが「8.5m」と決まっている。この距離をどうやって走るかは選手によって違ってくる。今の力に合わせてリズムを上げる練習をすることが重要。13秒台になると11.5mを少し刻みながら走る感覚になる。実際のレースでも同じように刻む感覚が必要になる。絶対に11.5m以上の距離ではやらない。自分が走りやすい距離にしてしまうとレースの時に刻めなくなる。
あくまで参考までにということで。これが絶対正しいという気はありません。ヨンパとはまた違った面白さがあると思います。中学校の指導の中で「ハードル間を刻む」というのをかなり前に聞きました。いやいや、普通の中学生のレベルで「刻む」というのはありえないと思います。スプリントがあって身長が高ければあり得ると思いますが、普通の中学生は「3歩で走る」ことができるかどうかの話になります。それならそれに合わせての練習が必要になる。
高校生でも持ちタイムが「16秒台」の選手がハードルインターバルを11.5mで走ると届きません。水平方向への推進力がないので当然だと思います。練習の意図によって11.5mでやってもいいと思います。しかし、「ハイスピードでのハードリング」を狙いとするなら間違いなく11.5mでは届かない。通常ショートハードルはハードルインターバルが「3歩」になります。競技レベルによっては「4歩」の選手もいると思いますが。ある程度上の競技レベルでやるなら「3歩」という制約の中でハードルインターバルを走らないといけません。13秒台の選手も16秒台の選手も同じ「3歩」です。その「3歩」の中で求められる「技術」や「走り」に関しては明らかに異なります。最終目的は「8.5m」をどのように走るかです。「リズムを上げる練習」として位置付けるのであれば走力によって「距離設定」を変えていく必要があると思っています。
さらに13秒中盤くらいになったら「11.8m」にするほうが「走りやすい」というのが出てくると思います。確かに水平方向への進みが大きいので「走りやすい」とは思います。しかし、「8.5m」の制約がある。この距離で刻みながら走っていくことを考えると無条件で距離を伸ばしていけばいいというものではないと思います。11.5mという制約の中でどう走るのかというのも重要になってくるのかなと。表現が難しいですが。「走りやすいから距離を伸ばす」というのではないかなと。
個々の兼ね合いは難しいと思っています。本当に最大スピードを出してハードルを越えようと思えば間違いなく「11.8m」のように距離を伸ばすほうがいい。16秒台の11mにも同じことがいえると思いますが。11mであれば自分が出せる最大のスピードでハードルを越えていける。しかし、これを「8.5m」の「3歩」にした時には「届かない」という状況が生まれます。元々走力がないので「8.5m」の距離に対応できないからです。同じ5歩ハードルでも「11.5m」にして実際のレースに近いインターバル感覚で走らせることも必要になってくると思います。少しオーバーストライド気味になると思いますが、それは「実践的な練習」として位置付けられる。
何でもかんでも「5歩にしたらいい」とは思っていません。その条件や狙いを明確にしながら「5歩ハードル」をやる。1台目までのアプローチを8歩ではなく10歩にするのも「ハイスピードでのハードリング」を実現するために必要な要素だと思っています。この手の練習は「より高いスピードレベルを求められる選手」に効果的になるかなと。5歩ハードルも狙いによって「距離設定」を変えてあげることが必要になってくると思っています。「11.8」まで伸ばすとハイレベルの選手は進みやすくなる。が、より刻むのが難しくなるという問題点も同時に生まれてくる。「届かない」と「刻む」では全く狙いが違ってきます。進む中でハードルを越えていくときにどうするかです。14秒5を切るくらいからは「11.5m」のリズムが実際のレース間隔に近いのかなと思っています。だから時々は11.2mでやらせたりもします。少し早く動くイメージ(刻む)感覚を持つためです。
うーん。意味わからないですよね。長くなったのでいったんここまでにしておきます。書き始めたのでこのことに関してゃもう少し続きを書きたいなとは思います。