kanekoの陸上日記

毎日更新予定の陸上日記です。陸上競技の指導で感じたことやkanekoが考えていることなどをひたすら書きます。

krsk合宿2

2023-12-19 | 陸上競技
倉敷でのことを。午後からは浜に行くことに。krskcの冬季練習は「坂道」と「浜」の練習が交互に土曜日に行われるということでした。色々な浜を探して今回使う浜になったとのこと。この辺りの経緯も面白かったですね。最初は各自が電車とバスを乗り継いで現地に集合する。人数が増えてきたのでマイクロバスを借りて移動するようになる。それぞれのチームに色々な経緯があります

浜でDMを使ったアップをする。そこからはひたすら走る(笑)。常に競争形式でした。20-40-60-80が1セット目。それぞれの組でトップだった選手が前の組に上がる。その組の最下位が下の組に落ちる。その繰り返し。当たり前ですが先頭の集団にいる選手が「速い」ということになります。逆にいうと後ろの組にいる選手は「負けている」のです。そのポジションで納得するかどうかどうかですね。どうせ勝てないのだから仕方ない。そう思う選手であればこれから先の勝負には参加できないと思います。何とかしてそこから勝ち上がってやろうという姿勢が必要。

2セット目は80-60-40-20。今度は逆に距離が短くなっていきます。前半型の選手はしんどいかもしれませんが、本数を重ねるにつれて「勝負できる可能性」が出てきます。一つでも上の組に入りたいと思う姿勢があるかどうか。3セット目は「足して100m」という距離。「20m+80m」「60m+40m」「50m+50m」これは往復のような形です。全員が走り終わったらそこから逆走で折り返す。

うちの選手はこの辺りで結構ダメージを受けていました。元々この手の練習を得意としていません。不整地で走る。反発がもらえない状況下で膝の引き出しで走る。更には地面からの力がもらえないので股関節が広がらない。もがく感じでした。それは必要な要素なのかもしれません。krskcの練習の特徴だと思っています。「やっているうちに速くなる」という部分が大きい。mrsd先生は「誤魔化しているだけ」「子供だまし」と謙遜されますが、その中には様々な工夫があります。単純に「砂浜で走ればいい」というわけではなく、そこにどのようなモノが隠されています。

最後に「勝ち残り走」を。これは前回練習に参加させてもらったときに坂道でやった練習です。決められた距離を走るのですが、そのグループの下位2名が落ちていく。数本目からは1人数ずつ落ちていく。最大で7本。最小で1本。グループ分けは先ほどの短い距離の練習で上位から均等になるように分けていきます。エンドレスリレーをやるときに組み分けに使われる形です。できるだけ「トータルの走力」を同じようにする。前回は坂道で「1本」しか走れない選手がいました。「まだ余力があったのに」と言っていましたが「下位2名」に入って落ちてしまっていました。今回はそのことを踏まえきちんと話をして複数本走れるように注意しておきました。

後でmrsd先生に伺ったのですが「全てを全力で走らない」というところが重要な「要素」です。トップ選手は最後の数本に勝ち残りをかけて「余力を残す」形で走ります。1本目から無駄に力を使って走っていると最後まで持たないからです。逆にそれほど走力がない選手は1本目から全力で走れば「勝てるチャンス」が生まれてきます。「下剋上」を起こすことができる。これが3本のみの勝負であればトップ選手には勝てないと思います。自分達で「戦い方」を考えることで「勝てない」選手に「勝つ」ことができる。そのチャンスを活かせるかどうかです。

結局2人ほど最初の1本でダウン(笑)。今回の距離は180mだったのでもう脚が持ちません。それほど走っていないというのもあります。本数を重ねる練習に対して免疫がない。最終的に5本目まで2人残ることができました。が、このグループは100m11秒台で100mHが13秒5の選手とOGの選手がいます。うちの400m選手と100mH選手の二人は同じ組です。この組から2人しか残らない。これはかなり厳しい。選手は「1人が犠牲になって他の二人の邪魔をしてでも勝ち上がれ」という話をしておきました(笑)。よく考えるとこの組から2人しか残らないので5本目で1人が邪魔をしたとしても次の6本目でやられてしまいます。失敗(笑)。5本目、最後の30mくらいまでうちの2人がOG選手に勝っていました。これは上手くいけば・・・と思っていましたが最後にスーッといかれて100mH選手脱落。3人での勝負になった時には400m選手は力尽きていました。無念。最後の決勝レースではその2人もkisiの100m選手に負けていました。流れもあると思いますが。難しい。経験が必要ですね。

初めての砂浜。大きな経験でした。この砂浜練習を導入しようと思ったきっかけは20年くらいまでの末續選手のDVDだったそうです。200mで日本記録を出した前後で「砂浜練習」の様子を撮影したDVDをスポーツメーカーからもらったそうです。その時に何度も何度もそのDVDを見て「どんな意味があるのか」を考えたと。その中で「これは意味がある」と自分の中で理由が明確になったのでそれを練習に取り入れた。「流行り」の練習なども色々試してみる、考えてみることがあるが「本質的な理解」の部分で「効果はない」「他の方法のほうが良い」と判断して切り捨ててきたということでした。だから「ベース」になる練習はずっと変わらない。これはrknに以前行ったときにsbt先生も言われていました。

やはり「工夫」の部分だと思います。どうやって「力を高めるか」という部分です。ほとんどの練習は「パクリだけど(笑)」と言われていました。大半の練習は「他の人の真似」から始まります。それを昇華させて「オリジナルの練習」になる。本当に面白いなと思いますね。

少し早めに練習を終えて宿舎へ。倉敷美観地区を散歩。部屋に戻ったころに選手から「美味しそうなラーメン屋さんがありましたよ」という報告を受けたので言われるままに行く。が、19時まで営業と書いてあったのに17時半くらいに閉まっていました(笑)。せっかく進めてもらったのに。ホテルに戻る途中に見つけたラーメン屋さんに立ち寄る。元々このお店に前日行きたかったので。煮干しラーメン。かなり濃い目の。美味しかったです。30食限定のつけ麺食べたかった・・・。

この日はmrsd先生からかなり濃い話を聞くことができました。上述の話も色々な話を聞く中で出てきた部分です(ラーメンの話ではない)。やはりこういうノウハウの話を聞くのは最高に楽しい。実際に見て感じた部分をストレートに聞くことができたのは大きい。本当に貴重な時間だったと思います。感謝しかありません。

また書きます。
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krsk合宿1

2023-12-19 | 陸上競技

金曜日から日曜日、岡山の倉敷に行ってきました。合宿です。これはかなり前からお願いしていて本当は11月の実施予定だったのですが「陸上教室がある」ということだったので予定が変わりました。できるだけ早くいきたいなと思っていました。冬季練習に入ってすぐに行くことで「どこを目指すか」というのが明確になるからです。どれだけ私が「今のままでは難しい」というのを話しても比較対象は「過去のチーム」です。転勤して一番最初の冬季に「誰も中国で予選を通過しない」と話をしましたが伝わりませんでした。自分たちはやっているという想いがあるからです。それは指導者側がどうにかできるものではない気がしています。以前はずば抜けたの力の選手が自然ときていた。それが「陸上をやっていた」という選手が集まってきて「IHで戦う」というのは本当に難しいことだと思っています。だからこそ「本物」を見る必要がある。

 

とにかく「差」を感じることが重要だという話をしていました。今の力では到底戦えることはできません。取り組みの「差」や戦うための意識の「差」は歴然です。無理やり作って中国大会に合わせてIHに出場できたチームとは全く違います。IHの4継で3位に入る。それがどれだけのことか。kyttbnは両リレー優勝しています。そのようなチームと戦うといってもよほどのことがなければ無理だと思っています。今回は「差」が何かを伝えたい。先日gt先生が来校された際、「hoshoのほうがよかった」という指摘を受けました。準備や練習に対する部分は間違いなく「普通の学校」であるhoshoの時のほうが上でした。これは1年次に今回と同じようにkrskcに行ったり、大阪のmtm先生、宮崎のtks先生のところに行ったからだと思っています。「本物」に触れることが早い段階でできたので短期間で組織が変わったのだと思っています。私の力ではない。

 

だからこそこの合宿を早い段階で実施したかった。今回は複数の学校も参加されていました。先日1・2年チームで46秒80を出したkisi高校も。こうなると中四国合宿に行く必要性は本当にないのではないかなという気もしています。この合宿で中国地区のほとんどの要素が解決します。特にうちのように「未熟」なチームは大きな刺激を受けることになると思います。あまり多くの情報量が入ると選手が処理できなくなるのでそれはそれで問題となります。本当のことを言えば「単独」で参加させてもらえるともっともっと「差」を感じられたのではないかなと思っています。普段の練習、普段の雰囲気、普段の取り組み。ここを見れるかどうかは大きい。合宿ではどうしても別の要素が入ってきます。それでも今回のような機会があるというのは間違いなく成長を促すことになります。

 

土曜日、明け方に大雨が降りました。それにより予定されていたグランドでの「サーキットトレーニング」ができなくなりました。それでも学校の敷地内を大きく使ってのサーキット。普段よりも大きくなるので休憩が長くなることと。一度に見渡せなくなるという部分がありました。それでもグループリーダーがいてその選手に引っ張ってもらう状況でした。OGの選手も複数名参加してくれていました。IH優勝者やIH入賞者が普通に参加してくれています。この部分が目に見えない「力」になっていると思います。OGから「指摘」されることも多いかもしれません。時々来て指摘するというのではなく毎日の練習の中で「指摘」されると大きな違いが生まれると思います。ひょっとすると何も言わないかもしれません。行動で示しているかも。やり投げでIH優勝した選手は「朝練」も参加して誰よりもやっているということでした。午後の練習にはスプリントのOGも16時から参加、やり投げの選手も参加。毎日の取り組みが「ハイレベル」になる。やり投げ選手、恐ろしいほどストイックでした(笑)。

 

8年くらい前(7年?)に参加した時とサーキット種目に大きな変更はありませんでした。マイナーチェンジを繰り返しながらやっているのだと思います。見ていると本当に面白いですね。明らかな差を感じる部分がありました。私もかなり「トレーニング」はします。冬季練習になってやっとやりたいことができ始めたかなと思っています。しかし、「タフさ」と「強さ」が違うなという印象。シーズンを通じてかなり「体作り」をされているのだと思います。筋力を上げるだけではなく「爆発力」がある。ここは今のうちに圧倒的に不足している部分だと思っています。パワー系の走りをするというのではない。しなやかな走りをしますが「出力」が高い。ここは大きな「差」だと感じました。

 

更には「ジャンプ系」の種目が多い。今のうちは「基礎筋力」の向上がメインになっています。そのためにはベーシックな補強が多くなる。これはkyttbnも同じですがホッピングやハードルジャンプなどの「瞬発的な動き」が多い。私は小心者なのでやらないのですがアスファルトの上でもホッピングなどを実施していました。こういう部分でも大きな差を感じました。私ももっと考えないといけないなと。


細かいところを見ながらでした。今私がやっていることに照らし合わせて考えていきました。視点の部分です。股関節周辺から動かす部分だったり、動きなら鍛えるという部分。やはりベースはここに置きたいと思っています。きちんと止める部分は止める。


あとはこの冬にタバタをやりたいと考えていました。そのタイミングで腹筋をタバタで鍛えるというのがありました。めちゃくちゃタイムリー。時間もそれほどかかりません。回数で決めるのではなく時間制でやる。他の補強もほとんどが回数制ではなく時間制。ここには間違いなく意図があると思いますね。以前から話を聞いていましたが、競技力に差がある。その時にそれぞれに対する負荷も関係してくる。だからそれぞれに合った負荷にするために時間制にしていると言われていました。それぞれが最大限に取り組めるように。工夫だと思いますし、チームの現状に合わせてどのように練習を組み立てるか。私自身も様々な視点から見ていきたいなと。


午前中はサーキットと補強でした。見る時間を増やすことが必要だと改めて感じました。また書きます。

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