浜でDMを使ったアップをする。そこからはひたすら走る(笑)。常に競争形式でした。20-40-60-80が1セット目。それぞれの組でトップだった選手が前の組に上がる。その組の最下位が下の組に落ちる。その繰り返し。当たり前ですが先頭の集団にいる選手が「速い」ということになります。逆にいうと後ろの組にいる選手は「負けている」のです。そのポジションで納得するかどうかどうかですね。どうせ勝てないのだから仕方ない。そう思う選手であればこれから先の勝負には参加できないと思います。何とかしてそこから勝ち上がってやろうという姿勢が必要。
2セット目は80-60-40-20。今度は逆に距離が短くなっていきます。前半型の選手はしんどいかもしれませんが、本数を重ねるにつれて「勝負できる可能性」が出てきます。一つでも上の組に入りたいと思う姿勢があるかどうか。3セット目は「足して100m」という距離。「20m+80m」「60m+40m」「50m+50m」これは往復のような形です。全員が走り終わったらそこから逆走で折り返す。
うちの選手はこの辺りで結構ダメージを受けていました。元々この手の練習を得意としていません。不整地で走る。反発がもらえない状況下で膝の引き出しで走る。更には地面からの力がもらえないので股関節が広がらない。もがく感じでした。それは必要な要素なのかもしれません。krskcの練習の特徴だと思っています。「やっているうちに速くなる」という部分が大きい。mrsd先生は「誤魔化しているだけ」「子供だまし」と謙遜されますが、その中には様々な工夫があります。単純に「砂浜で走ればいい」というわけではなく、そこにどのようなモノが隠されています。
最後に「勝ち残り走」を。これは前回練習に参加させてもらったときに坂道でやった練習です。決められた距離を走るのですが、そのグループの下位2名が落ちていく。数本目からは1人数ずつ落ちていく。最大で7本。最小で1本。グループ分けは先ほどの短い距離の練習で上位から均等になるように分けていきます。エンドレスリレーをやるときに組み分けに使われる形です。できるだけ「トータルの走力」を同じようにする。前回は坂道で「1本」しか走れない選手がいました。「まだ余力があったのに」と言っていましたが「下位2名」に入って落ちてしまっていました。今回はそのことを踏まえきちんと話をして複数本走れるように注意しておきました。
後でmrsd先生に伺ったのですが「全てを全力で走らない」というところが重要な「要素」です。トップ選手は最後の数本に勝ち残りをかけて「余力を残す」形で走ります。1本目から無駄に力を使って走っていると最後まで持たないからです。逆にそれほど走力がない選手は1本目から全力で走れば「勝てるチャンス」が生まれてきます。「下剋上」を起こすことができる。これが3本のみの勝負であればトップ選手には勝てないと思います。自分達で「戦い方」を考えることで「勝てない」選手に「勝つ」ことができる。そのチャンスを活かせるかどうかです。
結局2人ほど最初の1本でダウン(笑)。今回の距離は180mだったのでもう脚が持ちません。それほど走っていないというのもあります。本数を重ねる練習に対して免疫がない。最終的に5本目まで2人残ることができました。が、このグループは100m11秒台で100mHが13秒5の選手とOGの選手がいます。うちの400m選手と100mH選手の二人は同じ組です。この組から2人しか残らない。これはかなり厳しい。選手は「1人が犠牲になって他の二人の邪魔をしてでも勝ち上がれ」という話をしておきました(笑)。よく考えるとこの組から2人しか残らないので5本目で1人が邪魔をしたとしても次の6本目でやられてしまいます。失敗(笑)。5本目、最後の30mくらいまでうちの2人がOG選手に勝っていました。これは上手くいけば・・・と思っていましたが最後にスーッといかれて100mH選手脱落。3人での勝負になった時には400m選手は力尽きていました。無念。最後の決勝レースではその2人もkisiの100m選手に負けていました。流れもあると思いますが。難しい。経験が必要ですね。
初めての砂浜。大きな経験でした。この砂浜練習を導入しようと思ったきっかけは20年くらいまでの末續選手のDVDだったそうです。200mで日本記録を出した前後で「砂浜練習」の様子を撮影したDVDをスポーツメーカーからもらったそうです。その時に何度も何度もそのDVDを見て「どんな意味があるのか」を考えたと。その中で「これは意味がある」と自分の中で理由が明確になったのでそれを練習に取り入れた。「流行り」の練習なども色々試してみる、考えてみることがあるが「本質的な理解」の部分で「効果はない」「他の方法のほうが良い」と判断して切り捨ててきたということでした。だから「ベース」になる練習はずっと変わらない。これはrknに以前行ったときにsbt先生も言われていました。
やはり「工夫」の部分だと思います。どうやって「力を高めるか」という部分です。ほとんどの練習は「パクリだけど(笑)」と言われていました。大半の練習は「他の人の真似」から始まります。それを昇華させて「オリジナルの練習」になる。本当に面白いなと思いますね。
少し早めに練習を終えて宿舎へ。倉敷美観地区を散歩。部屋に戻ったころに選手から「美味しそうなラーメン屋さんがありましたよ」という報告を受けたので言われるままに行く。が、19時まで営業と書いてあったのに17時半くらいに閉まっていました(笑)。せっかく進めてもらったのに。ホテルに戻る途中に見つけたラーメン屋さんに立ち寄る。元々このお店に前日行きたかったので。煮干しラーメン。かなり濃い目の。美味しかったです。30食限定のつけ麺食べたかった・・・。
この日はmrsd先生からかなり濃い話を聞くことができました。上述の話も色々な話を聞く中で出てきた部分です(ラーメンの話ではない)。やはりこういうノウハウの話を聞くのは最高に楽しい。実際に見て感じた部分をストレートに聞くことができたのは大きい。本当に貴重な時間だったと思います。感謝しかありません。
また書きます。