闇にまぎれてbowyow cine-archives vol.951,952,953
○ステイーブン・ダルドリー監督の「愛を読む人」をみて
「朗読者」の映画化だが、15歳の少年時代の役者と成人してからの役者が全然似ていない点を覗くとかなりうまくいったのではないだろうか。
しかしケイト・ウィンスレットが好演しているヒロインが文盲であったとか、元ナチ党員で強制収容所の看守をしていてユダヤ人焼殺の幇助をしたなど読者&観客を驚かせる話柄にはついていくことができない。
原題はTHE READERなのだから、「愛を読む人」はいいすぎで、単に「リーダー」、「読者」あるいは「本を読む人」でいいだろう。
○ヒッチコック監督の「バルカン超特急」をみて
ヒッチ英国時代の1938年に製作されたサスペンス映画ずら。
欧州の某小国のホテルを出て英国へ帰る列車に乗りこんだ老婦人が車内で行方不明になり、ヒロインが懸命に探し始めるのだが、誰もそんな老女は見なかったと言い張る。
実はその老女は英国外務省のスパイで、ドイツの将校たちが彼女を誘拐しようとしたのであるが、そういうお話がさしたる説得力も必然性もなく活動劇画風に展開されるので、ヒッチにすれば凡作の部類に入るのではなかろうか。
○フーバルト・ザウパー監督の「ダーウインの悪夢」をみて
タンザニアのビクトリア湖では何者かによって放たれたナイルパーチという巨大魚が繁殖し生態系が混乱して既存の魚類が全滅したというが、そのナイルパーチが貧しい人々の雇用を支えてもいるという。
欧州から毎日飛んでくる航空機はタンザニアに武器を運び、帰路は現地の民衆の口に入らない高級魚ナイルパーチの加工品を積んで帰るという政治問題も暴露されている。
てやんでえ消費税などみなやめっちまえ景気などすぐに回復するじゃろ 蝶人