闇にまぎれてbowyow cine-archives vol.980,981
○パオロ&ヴィットリオ・タヴィアーニ監督の「父/パードレ・パドローネ」をみて
貧しくて頑固者の父親と息子の相克を描く独特の語り口をもったイタリア映画である。
モザールのフルート協奏曲の第2楽章が鳴っているラジオを頑固親父が水槽に沈めてしまうと息子がその旋律を口笛で吹くシーンが印象的だった。
いろいろあったが最後息子は功なり遂げて言語学者になるが、こういう親子鷹風の映画は昔からかなり多い。
○パオロ&ヴィットリオ・タヴィアーニ監督の「サン・ロレンツォの夜」をみて
第2次大戦終結まぢかのイタリアの田舎で、米軍の到来を待ち望むグループとムソリーニ支持の黒シャツのファシストたちが殺し合うシーンが真に迫って物凄い。
同じ村の住民同士が偶発戦で銃で撃ち合うのだが、そのあっけない殺人とあっけない死がいかにもそうであったろうと思われるリアリテイで淡々と描かれ、それゆえに圧倒される。
NYでの新生活を夢見ながら死んでいく少女の幻影も哀切極まりない。
愛想笑いする力さえ今日は無く仏頂面で蹲ってる 蝶人