闇にまぎれてtyojin cine-archives vol.3812~17
1)蔵原惟繕監督の「狂熱の季節」
1960年の無軌道な若者の阿呆莫迦ぶりを描いたアホバカ映画ずら。
2)阿部豊監督の「第8監房」
元兵隊の絆が波乱を生む三橋達也と月岡夢路主演の1956年のギャング映画。
3)阿部豊監督の「雌花」
金子信雄の夫に愛想を尽かした妻山根寿子はデザイナーの大坂司郎を垂らしこんで離婚しようとするが、そんなダメ男の大辻を愛する南田洋子は……。大岡昇平の原作のなのでなかなか面白い。1957年製作。音楽は小津が愛した斎藤高順なり。
4)小林桂三郎監督の「森蘭丸」
蘭丸は中村扇雀、信長は山村聰、光秀が坂東好太郎、秀吉が宇野重吉、宮城千賀子、村瀬幸子という素敵な配役で公凶放送の大河ドラマなどより百層倍も面白い1955年の時代劇ずら。
5)久松静児監督の「神坂次郎の犯罪」
石川達三の原作を森繁久彌が好演する1956年の真相不明の犯罪映画なり。
6)吉田喜重監督の「水で書かれた物語」
母親の岡田茉莉子と息子入川保則の愛に入り込もうとあがく浅丘ルリ子。あの石坂洋次郎の原作が異母兄妹と母子姦通を取り扱っていること自体が驚きだが、妻の美貌を耽美的に映像化する吉田喜重の手際はそれこそ水際立っている。脚本に高良留美子、音楽は一柳慧。1965年の製作。
横須賀のヴェルニー公園に凛と咲く深紅の薔薇よシモーヌ・ヴェーユ 蝶人