闇にまぎれてbowyow cine-archives vol.886,887
○リドリー・スコット監督の「ロビンフッド」をみて
リドリー・スコットはこうした規模壮大な歴史劇を好むが、「グラディエーター」が大成功したので2匹目のドジョウを狙ったのだろうか。本作でも同じラッセル・クロウを主役に据えているが、私はこの見るからに陰鬱な顔立ちの男を見ているとだんだん憂鬱になり、生きているのが厭になるのである。
しかし中世イングランドの伝説上の人物を、いかにも本物らしく仕立て上げるものだ。ちょうど我が国の鎌倉時代の話なので、弓を得意とするロビンフッドとは東西で平仄が合っている。
鎌倉武士は100m先の敵を百発百中で仕留めたらしいが、それと全く同じシーンが出てくるのである。
○マーティン・キャンベル監督の「マスク・オブ・ゾロ」をみて
悪代官と対決するゾロの1代目はアンソニー・ホプキンスであるが、不幸にして愛妻を殺され愛娘を悪代官に奪われ牢の中で徒に20年の歳月が流れるが、どっこいしぶとく生きながらえて2代目ゾロをアントニオ・バンデラスという若者につなげるという趣向は面白いと言えば面白いが、詰らないと言えば詰らん脚本で、かつて名だたる映画に出て名声を博したホプキンスがこんなになんでこんなのに出ているのかという怒りも湧いてくる1998年製作の凡庸なアメリカ映画ずら。
賛成はしないが反対もしなかったそんなわれらが招く戦争 蝶人