

江戸の戯作者 鶴屋南北の書いた 解脱衣楓累(げだつのきぬもみじがさね)を観てきました。
鶴屋南北といえば四谷怪談など、幽霊物が多い戯作者で、
この芝居は、江戸の時代には日の目を見ることなく、35年前に前進座がはじめて芝居にしたとか
二つの言い伝えが重ねられているようですが、
僧とその婚約者であった女
心中しようと約束をするものの、女の首を切り落としたとたんに心変わりをし
出世をしようとあがく男
その出世の道具をめぐって、敵がめぐり合い
様々な顔ぶれが入り乱れて
殺された女に取り殺される
という話。
芝居を前に、たまたま古本屋で 女流作家の短編を集めた文庫の中に
鶴屋南北の最後について、書かれたものがあって

戯作者としての売れる前に 鰻を割く仕事をしていた時
神通力を持った大鰻を割いて
その怒りに触れ、鰻が大嫌いになった と言う伏線がしかれ
結局、風呂屋の湯船にうじゃうじゃ鰻がいた幻覚を見て
心臓麻痺で死んだと言う物語で、怪談物を得意とした南北らしい死に方かな~
などと、本当のことかはわからずとも 納得したしだいである
私は、怪談物は大嫌いである。
怖い映画も絶対に見ない
なのに、この芝居を怪談話と思わずに見たが、
最後の、河原崎国太郎の柳の下の幽霊の姿には
思わず

この日の芝居は、掛け声(?)をかける人がいない
役者さんが 格好よく見得をきったのに よっ!〇〇屋 との声がなく
私も、声をかけるならこの場面 ということはわかったが
なにしろ 役者さんの屋号を覚えていないもんで

役に立たない観客であった
でも、結構面白い

