
私自身は勉強不足のまま医者になったので、医者になってからも勉強をしようと病理になった程度で、優秀ではない。
この場合、”優秀”とは勉強ができること、というよりは入試の点がいいこと、なのだが、入試の点がいい人の90%以上は普段の学校の成績も良い。
ということで、私の周りには私よりずいぶんできる人がたくさんいる。
で、狭隘な視野しかもっていないので、私の周りに”だけ”しかいないと思っていたら、そうでもなかった。
バスケが上手で、私たちの練習に時々遊びに来る若者が、「先生(私が医者なのは知っている)は、何科の医者なの?」と聞かれ、例によって「病理診断科っていって、直接患者さんは診ないで、とってきた組織を診て、その人の病気を診断してるんだよね」などと、”臨床医”ではないことをいちいち説明するにがにがしさをかみ殺しながら説明していたら、「へぇーそうなんだ、一番最初にその人の細胞を診るんだ」と、応じてくれた。
自分でも気がついていなかった、こういう見方があったかと、うれしかったと同時に、こうやって、すぐに理解できる利口な人っているんだなと感心してしまった。
医者の99%はプライドが高く、人に褒められて当然、みたいなところがあり、私は自分がそうなっていくのが嫌で病理医になったが、それでもやっぱり、だめだな、と思ってしまう。
ついでに悔しかったのは、私より、彼のほうがバスケのセンスも数段上ということ。