先日の公開シンポジウムにいらした患者さんに付き添っていた人が、「東京はエレベーターが少なくて困りました」とこぼしていた。車椅子で移動するには東京はずいぶん不便なようだ。実際、私も都内での電車の乗り換えには苦労する。これが身体が不自由だったりしたらとても大変なのはよくわかる。
でも、そのことを口にしてもらうまではあまりそのことについて考えたことはなかった。
ちょうど、パラリンピックの開催中でもあったので少し考えた。パラリンピックの選手たちが日本に帰ってきた時、こんな環境でどうやって歓迎したらいいのだろう。なんとかお世話をすることはできるだろう、でも、それだけだろうか。
物理的なバリアフリーはなんとかなっても、心のバリアフリーはできているか?
障害を持った子供を育てる人に向かって、「無駄なことをするな」という人がいるそうだ。そこには意地悪な気持ちしかない。
こういう人は、ほんの一握りであってほしい。
自分のことを考えて