医者のジョークで、
「内科医は何でも知っているが何もできない。
外科医は何でもやるが何も知らない。
精神科医は何も知らないし、何もできない。
病理学者は何でも知っているし何でもできる、しかし遅すぎる。」
なんていうのがあると昔聞いた。昨日、病理診断科の部屋で誰かが言い出して、ひとしきりその話題で盛り上がった。親父が米国に留学していた頃にはあったらしいので、50年以上前はこんな認識だったのだろう。
今では、そんなことは全くなくて、内科医も外科医もなんでもできるし、なんでも良く知っている。精神科医もきっとそうだろう。
そこで病理医の登場となる。
なんでも知っている、というより、なんでも知らなくちゃならない。
なんでもできる、というよりはなんでもできなきゃならない。
そして、遅すぎてはいけない。
知らないことはたくさんあって、それは増え続けていて、悩みは増える一方だ(『わかったこと、わかっていないこと』2011年4月30日)。
なんでもできる、というのは摘出された臓器に対してのことであったり、さらには病理解剖のことを指していたわけだけど、今やそれらだけではすまなくなっている。(明日に続く)
いつまでもじっとしてはいられない