こんな気持ちでいられたら・・・一病理医の日々と生き方考え方

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よりよく生きるにはどうしたらいい?

これはちょっと・・・

2010年02月12日 | 病理のこと、医療のこと、仕事のこと
生体肝移植患者の検査怠り死亡、公表せず 東京医大(朝日新聞) - goo ニュース

生体肝移植は人の死を待っての移植に比較して、生きている人の肝臓の一部を切除して移植する、ということで、私たち日本人の死生観というか、そういったもの(個人個人の考え方の問題なので、ここでそれに深く言及することはしない)に合っているということから、なんとかかんとか行われている。
生体肝移植自体、未解決の問題は山積しており、一つ一つの問題はそれぞれ解決が困難なものだ。
その中の一つに、術後管理の難しさがある。東京医大の患者向けの説明を読むと、そのあたりの大変さが伝わってこない。とくに、移植後の生検の重要性がほとんど語られていないのが気になる。報道記事からは免疫抑制のコントロールが良くなかったらしいことが伝わってくるが、どの程度移植後肝生検を行って、移植肝の評価を行っていたのだろう。
私の病院でも、生体肝移植後の肝生検というのをやるが、相当シビアな判断を要求されるが、移植外科医は病理の所見を第一において、治療方針を決め、拒絶反応のコントロールを行っている。
それにしても、朝日の記事にある、必要な”検査”というのもちょっとね。この検査のうちに病理医による生検診断も含まれているはずだが、病理診断は”検査”ではなく、”診断”だが、判ってもらってないようで、残念だ。

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