こんな気持ちでいられたら・・・一病理医の日々と生き方考え方

人生あっという間、私の時間もあと少し。
よりよく生きるにはどうしたらいい?

あなたの趣味は何ですかと聞かれたら

2022年05月27日 | わたしのこと
 昨晩からの大雨はいっこうに止む気配はなく、そこそこ濡れながら家を出てきた。雨が続くとせっかく咲いた花びらが傷んでしまうのがかわいそうだが、自然のせいなので致し方ない。せめて鉢植えは雨があまり当たらないようにしてあげよう。

 私にはこれといった趣味はない。強いてあげれば読書、ブログ書きそしてこのガーデニングといったところか。読書が好きだったかというとよくわからない。文字を追うのは好きだが読解力がないので、読みっぱなし、読み散らかしているようなものだった。ブログ書きはこのブログだけで、そこそこ続いているものの中年になって以降始めたことで本質的に自分に合っているのかはいまだにわからない。ガーデニングは今の家に引っ越してきてからしばらく経って始めたことで、妻のするのを見よう見まねで始めた。それぞれ黙々と行うことができるという点では共通しているのかもしれない。そういう意味では病理医という仕事も趣味の範疇と言えるかもしれない。

 趣味を始めるにあたっては誰かの影響というものがある。読書は母の姿を見ていたからかもしれないが、読書も本読みの好きな母が読み聞かせをしてくれたからいつの間にか始めただけかもしれない。親子の趣味というのは、親子だから好みが似ているなんてことはほとんどなくて多くの場合は親に押し付けられて始めるのではないかと思う。
 
 通勤経路に古びた鉄道模型店がある。その店の前を通るたび昔遊んだNゲージの模型を思い出す。乗り物が大好きだった父は鉄道模型の他にも船や飛行機の模型を私と一緒に作ったり買い与えてくれ、Nゲージなどベニヤ板にレールを張って遊ばせてくれていたが、私はそれほど面白いとは思わなかった。模型を走らせるよりはお小遣いで買った模型のコレクションが増え、それを眺めている方がよほど嬉しかった。切手集めも比較的好きだったから、どうやら私はコレクター系の人間なのだろう。

 私と息子の場合、息子にはバスケットボールをやらせた。それは、私が中高大と10年以上バスケットボールに打ち込んできたというのがあるのだろう。野球でもよかったのだが親はあまり出てこなくていいというミニバスチームが市内にあったのでそこに入れた。息子は背が高かったということもあって、息子は中学校まではバスケットボールをやってそこそこ上手だったが、大学からはアカペラをやるようになって、いまではバスケットボールを触ることはあまりないようだ。ボーイスカウトにも入らせて世界ジャンボリーにまで行ったが、それもいい思い出としてしまったようだ。息子にとってそれは自然な成り行きだっただろう。

 そもそも私は中学に入ったときに陸上部に入りたかったのを、

 お前のように協調性のない男は個人競技よりも団体競技をやるべきだ

 という父の命令でバスケットボール部に入らされた。協調性がなく、一人で黙々と打ち込みたい、さらには今病理医をやっているということは全く父は私のことをよく見抜いていたとは思うが、私がやりたいことをやらせてくれたわけではなかった。今頃になって息子が「本当はあれがやりたかった、これがやりたかった」と恨みつらみを言ってこないのは幸せなことだと思う。

 今の時代、趣味の選択肢はずいぶん広がった。これは爆発的に増えた情報量のおかげで、価値観も多様化したからだろう。それでも親に誘導、もしくは強制されて趣味を選ばされるということは少なくないだろう。私の父のように”協調性のない”性格を矯正するために利用されることだってある。人生の半分をとうに過ぎてしまったが、ささやかながら趣味らしきものが見えた今はそこそこ幸せなのではないかと思う。

ライフスタイルとの兼ね合いも

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