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きんちゃんのぷらっとドライブ&写真撮影

「しんぶん赤旗」の記事を中心に、政治・経済・労働問題などを個人的に発信。
日本共産党兵庫県委員会で働いています。

人と自然がおりなす 美しき棚田⑧ 日本編

2010-07-25 19:41:59 | 赤旗記事特集
人と自然がおりなす 美しき棚田⑧ 日本編
佐賀県唐津市の蕨野(わらびの)
堂々、山城の石垣のよう


 九州北西部、佐賀県唐津市相知町(おうちちょう)にある蕨野の棚田は、八幡岳(764メートル)の麓の標高150~420メートルまでの斜面にひらかれている。
 手のひらを広げたように5つの沢ぞいにひらかれた棚田で、畦の法面は石積みで築かれ、下から見上げるとまるで堂々とした山城の石垣のように見える。棚田の石垣としては、日本一、二を競う高さ8・5メートルもの石垣がある。上に立って見下ろすと足がすくむ。約40ヘクタール、1050枚。「棚田百選」の中でも大規模な棚田のひとつで、その迫力には圧倒される。「国の重要文化的景観」にも選定された。


◆集落が力合わせ
 ここでとれたコメを「棚田米」として売り出したところ、おいしいと評判だ。棚田を自分たちの代で荒らすのは忍びないとの思いがあったが、「先祖が苦労して造った石垣に対して、米が売れるようになって、少し恩返しができた気がします」と棚田保存会の人たちはいう。
 昭和40年代には、青年クラブという若者の会(若者宿)があったが、都市住民から「ここの棚田はすごい」といわれていたので、会ではすでに「棚田保存」について話題になっていた。ここには「手間講」と呼ぶ相互扶助のシステム(ユイ)があって、りっぱな石垣や、ため池を作ってきた。また唐津や伊万里に近く、兼業できるから若者も同居している。集落のみんなが力を合わせて、ひとつのことをやり遂げるという意識が伝統的にあった。いろんな好条件が重なっている。


◆共通のにおいが
 9月のある日、稲刈りの仕事の合間に「浮立(ふりゅう)」と呼ぶお祭りで伝統芸能が披露された。もともとは戦国時代、敵と戦って勝ったことをお祝いするために行われたのが始まりとも言われるが、現在は、田の神様に豊作を祈願し、収穫に感謝するために行われている。
 あでやかな衣装とすげがさをかぶった女性たちが、太鼓、笛、鉦(かね)のお囃子の中、円を描いて踊りながらまわる。大きな鉦は銅鼓のようにも見える。バリのガムラン音楽も鉦を使っているので、浮立の音楽を聴いたとき、バリ島のにおいがした。いや、もしかしたら、これは音楽だけではないのかもしれない。村がひとつにまとまり、協力し合って棚田を作り続ける人たちに共通のにおいなのではないだろうか。(金曜掲載)
「しんぶん赤旗」日刊紙 2010年7月23日付


国内編になって、「これなら行ってみようかな」・・・。
旅行プランの一つに追加です。
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