陸山会事件 小沢氏への判決は、「共謀を疑う相応の根拠」と言いながら無罪に?
4月26日、東京地裁でいわゆる「陸山会事件」、小沢事務所の秘書のためのマンションの土地購入資金の政治資金上の疑惑にかかわる判決だ。
以下、「しんぶん赤旗」日刊紙の記事を転載する
小沢氏は虚偽記載了承
元秘書と共謀認めず無罪
強制起訴は有効 検察の捜査を批判
東京地裁判決
資金管理団体「陸山会」の土地取引をめぐり、政治資金規正法違反(収支報告書の虚偽記載)罪に問われた民主党元代表小沢一郎被告(69)の判決が26日、東京地裁であり、大善文男裁判長は無罪(求刑禁錮3年)を言い渡しました。しかし判決は、検察官役の指定弁護士側の主張をほぼ全面的に認め、主要な争点での小沢被告側の反論をことごとく退けました。元秘書による虚偽記載の事実を認定。元秘書らから事実と異なる記載について小沢被告が報告を受け、了承をしたことも認めました。
大善裁判長は、最大の争点となった元秘書との共謀について、土地購入代金の計上を翌年にずらすことの「報告を受けていない」とした小沢被告の供述は信用できないと判断し、石川知裕衆院議員(38)から報告を受け、了承したと認定。石川議員や池田光智元秘書(34)が、小沢被告の了承を受けた上で虚偽記載したことを認めました。
自己資金の4億円を担保に銀行から融資を受けることも、説明を受けて了承していたとし、提供した4億円を簿外で処理することも、「小沢被告の意向に沿うものだったと考えられる」と判断。検察官役の指定弁護士側の主張に沿った事実認定をし、「(指定弁護士が)共謀を疑うことには相応の根拠がある」と述べました。
しかし、土地取得が05年分の収支報告書に記載されることは適法と考えた可能性があるなどとして、虚偽記載の故意や、元秘書との共謀について、立証が十分でないと結論付け、無罪としました。
小沢被告の法廷での供述については、「変遷や不自然な点が認められ、信用できない」と指摘。「秘書まかせ」との釈明について、「政治資金規正法の精神に照らして、芳しいことではない」と批判しました。
また陸山会の2004年分政治資金収支報告書を作成した石川議員が、十分な土地購入資金がありながら銀行から4億円の融資を受けた目的について「4億円が小沢被告の個人資産から提供された事実が明らかになることを避けるためだった」と指摘しました。
争点の一つだった強制起訴議決の有効性については、適法と判断。その上で、「事実に反する捜査報告書を作成し、検察審査会の判断を誤らせるようなことは決して許されない」と述べ、見立てに沿った捜査が問題の背景にあったと指摘。検察当局で十分に調査し、対応すべきだと述べました。
「しんぶん赤旗」日刊紙 2012年4月27日付より
小沢氏の元秘書に有罪判決が出て、判決に至る公判でも有罪に確たる証拠(状況証拠ですが)が出てきたにも関わらず、今回の無罪判決。
かなり腑抜け感を感じた判決でした。
確かに「疑わしきは罰せず」という裁判の鉄則に沿ったものだと思いますが、東京地裁の不甲斐なさを感じます。
約30年前の田中角栄氏への有罪判決と比べると、かなりのギャップを感じました。
小沢氏は田中角栄氏を師と仰ぎ、土地ころがしに長けた人物ですからね。
判決は無罪でしたが、裁判所が検察官役の指定弁護人のほとんどの主張を認めているわけですから、「政治的・道義的責任」は避けて通れませんね。
共産党の志位さんも以下の会見を発表しています。
国会で真相解明を
小沢氏疑惑 志位委員長が強調
日本共産党の志位和夫委員長は4月26日、民主党の小沢一郎元代表に対する東京地裁判決について記者団に問われ、「裁判で無罪になっても政治的・道義的責任が不問にされてはならない。『裁判があるから国会に出られない』と言い訳してきたのだから、いまこそ証人喚問に応じるよう強く求めていく」と述べました。
志位氏は、「(資金管理団体の名で行われた)土地購入資金4億円の出どころや、胆沢(いさわ)ダムをめぐるヤミ献金問題など、解明すべき問題がたくさんある。真相解明をきちんと行い、政治的・道義的責任を明らかにすべきだ。これは国会の仕事だ」と強調しました。
4月26日、東京地裁でいわゆる「陸山会事件」、小沢事務所の秘書のためのマンションの土地購入資金の政治資金上の疑惑にかかわる判決だ。
以下、「しんぶん赤旗」日刊紙の記事を転載する
小沢氏は虚偽記載了承
元秘書と共謀認めず無罪
強制起訴は有効 検察の捜査を批判
東京地裁判決
資金管理団体「陸山会」の土地取引をめぐり、政治資金規正法違反(収支報告書の虚偽記載)罪に問われた民主党元代表小沢一郎被告(69)の判決が26日、東京地裁であり、大善文男裁判長は無罪(求刑禁錮3年)を言い渡しました。しかし判決は、検察官役の指定弁護士側の主張をほぼ全面的に認め、主要な争点での小沢被告側の反論をことごとく退けました。元秘書による虚偽記載の事実を認定。元秘書らから事実と異なる記載について小沢被告が報告を受け、了承をしたことも認めました。
大善裁判長は、最大の争点となった元秘書との共謀について、土地購入代金の計上を翌年にずらすことの「報告を受けていない」とした小沢被告の供述は信用できないと判断し、石川知裕衆院議員(38)から報告を受け、了承したと認定。石川議員や池田光智元秘書(34)が、小沢被告の了承を受けた上で虚偽記載したことを認めました。
自己資金の4億円を担保に銀行から融資を受けることも、説明を受けて了承していたとし、提供した4億円を簿外で処理することも、「小沢被告の意向に沿うものだったと考えられる」と判断。検察官役の指定弁護士側の主張に沿った事実認定をし、「(指定弁護士が)共謀を疑うことには相応の根拠がある」と述べました。
しかし、土地取得が05年分の収支報告書に記載されることは適法と考えた可能性があるなどとして、虚偽記載の故意や、元秘書との共謀について、立証が十分でないと結論付け、無罪としました。
小沢被告の法廷での供述については、「変遷や不自然な点が認められ、信用できない」と指摘。「秘書まかせ」との釈明について、「政治資金規正法の精神に照らして、芳しいことではない」と批判しました。
また陸山会の2004年分政治資金収支報告書を作成した石川議員が、十分な土地購入資金がありながら銀行から4億円の融資を受けた目的について「4億円が小沢被告の個人資産から提供された事実が明らかになることを避けるためだった」と指摘しました。
争点の一つだった強制起訴議決の有効性については、適法と判断。その上で、「事実に反する捜査報告書を作成し、検察審査会の判断を誤らせるようなことは決して許されない」と述べ、見立てに沿った捜査が問題の背景にあったと指摘。検察当局で十分に調査し、対応すべきだと述べました。
「しんぶん赤旗」日刊紙 2012年4月27日付より
小沢氏の元秘書に有罪判決が出て、判決に至る公判でも有罪に確たる証拠(状況証拠ですが)が出てきたにも関わらず、今回の無罪判決。
かなり腑抜け感を感じた判決でした。
確かに「疑わしきは罰せず」という裁判の鉄則に沿ったものだと思いますが、東京地裁の不甲斐なさを感じます。
約30年前の田中角栄氏への有罪判決と比べると、かなりのギャップを感じました。
小沢氏は田中角栄氏を師と仰ぎ、土地ころがしに長けた人物ですからね。
判決は無罪でしたが、裁判所が検察官役の指定弁護人のほとんどの主張を認めているわけですから、「政治的・道義的責任」は避けて通れませんね。
共産党の志位さんも以下の会見を発表しています。
国会で真相解明を
小沢氏疑惑 志位委員長が強調
日本共産党の志位和夫委員長は4月26日、民主党の小沢一郎元代表に対する東京地裁判決について記者団に問われ、「裁判で無罪になっても政治的・道義的責任が不問にされてはならない。『裁判があるから国会に出られない』と言い訳してきたのだから、いまこそ証人喚問に応じるよう強く求めていく」と述べました。
志位氏は、「(資金管理団体の名で行われた)土地購入資金4億円の出どころや、胆沢(いさわ)ダムをめぐるヤミ献金問題など、解明すべき問題がたくさんある。真相解明をきちんと行い、政治的・道義的責任を明らかにすべきだ。これは国会の仕事だ」と強調しました。