原発誘致の町から180度転換 福島・浪江町
復興ビジョンに注目 「脱原発」を明記
「原発誘致」から「脱原発」へ―東京電力福島第1原発事故で全町避難を余儀なくされている福島県浪江町の復興ビジョン検討委員会(町民代表と有識者で構成、委員長・鈴木浩福島大学名誉教授)がまとめた「浪江町復興ビジョン提言」が注目されています。「脱原発」を明記したのです。
(菅野尚夫記者)

昨年12月定例町議会で、東北電力が浪江町などに建設を予定していた「浪江・小高原発誘致決議」の白紙撤回と県内原発の全基廃炉の意見書を可決したのに続く、新しい流れです。「提言」は馬場有浪江町長に提出されました。これを受け、浪江町議会は、4月中旬に臨時町議会を開いて、復興ビジョンを決定して、8月には具体的な復興計画を策定します。
「提言」は、「子どもたちがこれ以上涙を流さなくて良い社会づくり」を先導することを誓い、「脱原発、エネルギー政策の見直しを提起し」「エネルギー自給自足のモデル地域の実現」を目指すことを宣言しています。

浪江町復興ビジョン提言について語る馬場有浪江町長
「提言」は、「国策に伴う原発事故であり、町民や町だけが悩むべき問題ではない」と述べて、「事故責任者である東京電力、エネルギー政策の責任者である国が暮らしの再建とふるさとの再生に向けて、自らの責任と役割を果たすことが必要です」と指摘。国や東電に解決を図るように要求・要請していくことを明確にしています。
東電の責任として①真の事故収束を早急に図ること、廃炉となるまでの安全管理の徹底②暮らしの再建に向けたきめ細やかな賠償③放射性物質飛散の原因者責任を明確化し、汚染された地域の回復を図ること―を強調しています。
国にたいしては、「不十分な安全神話だったことが露呈したわけで、政策の不備で生じた放射能汚染災害の責任を取る必要がある」と追及しています。
「提言」は、全町避難を余儀なくされて、福島県内外に離散する町民の生活再建・改善.を最優先に位置づけて、短期目標、中期目標、長期目標を設定。
震災から10年までの復興の道筋を示しています。
短期は、2014年3月まで。避難生活の改善、町外でも安心して暮らせる環境づくり、希望者の低線量地域への帰町の実現を目指します。
中期は、16年3月まで。生活環境の構築、事業再開、就労の実現など町民の生活を安定させます。本格除染、インフラ復旧、医療、福祉、教育、産業などの生活に必要な環境の整備を図ります。
長期は、21年3月まで。住んでいる場所にかかわらず、すべての町民が震災以前と同様に、幸せな暮らしを取り戻し、若者が集まる魅力的な町になるような町づくりを推進するとしています。
帰町するまでの間、二本松市、いわき市、浪江町に役場機能を置き、県内外に離散する町民を集約する拠点として住宅だけでなくショッピングモールや医療機関などが備わった「リトル浪江」(町外コミュニティー)を整備します。
500年先考えて
馬場有 浪江町長
脱原発を明確にしたことは、今までの町の方針を180度転換したものです。時代に即したものとなりました。
未来を担う子どもたちのことを考えると、300年、500年という長いスパンで考えて後世に残す方針転換だと思います。
国や東京電力は、おわびにはくるが、復興についてどう具体的に責任を果たしていくのか少しも見えません。
国と東電は、迅速に進めてほしい。
行政の責任は、町民に寄り添っていくことが眼目で、短期、中期、長期とやれることから具体化していきます。
「しんぶん赤旗」日刊紙 2012年4月2日付掲載
今までの原発誘致から脱原発に180度転換した英断はすごいですね。それは町長だけでなくって、町民の帰りたいという切なる思いがあると思います。
NHKスペシャルでも、浪江町に戻るべきか、県外に移住すべきかの葛藤が描かれています。
特に浪江町商工会青年部の取り組みは特筆すべきものがあります。
故郷(ふるさと)か 移住か ~原発避難者たちの決断~
そういう草の根の運動の支えがあってこその町長の決断なんでしょうね。
「リトル浪江」なんてネーミングがいいですね(*^^)v
復興ビジョンに注目 「脱原発」を明記
「原発誘致」から「脱原発」へ―東京電力福島第1原発事故で全町避難を余儀なくされている福島県浪江町の復興ビジョン検討委員会(町民代表と有識者で構成、委員長・鈴木浩福島大学名誉教授)がまとめた「浪江町復興ビジョン提言」が注目されています。「脱原発」を明記したのです。
(菅野尚夫記者)

昨年12月定例町議会で、東北電力が浪江町などに建設を予定していた「浪江・小高原発誘致決議」の白紙撤回と県内原発の全基廃炉の意見書を可決したのに続く、新しい流れです。「提言」は馬場有浪江町長に提出されました。これを受け、浪江町議会は、4月中旬に臨時町議会を開いて、復興ビジョンを決定して、8月には具体的な復興計画を策定します。
「提言」は、「子どもたちがこれ以上涙を流さなくて良い社会づくり」を先導することを誓い、「脱原発、エネルギー政策の見直しを提起し」「エネルギー自給自足のモデル地域の実現」を目指すことを宣言しています。

浪江町復興ビジョン提言について語る馬場有浪江町長
「提言」は、「国策に伴う原発事故であり、町民や町だけが悩むべき問題ではない」と述べて、「事故責任者である東京電力、エネルギー政策の責任者である国が暮らしの再建とふるさとの再生に向けて、自らの責任と役割を果たすことが必要です」と指摘。国や東電に解決を図るように要求・要請していくことを明確にしています。
東電の責任として①真の事故収束を早急に図ること、廃炉となるまでの安全管理の徹底②暮らしの再建に向けたきめ細やかな賠償③放射性物質飛散の原因者責任を明確化し、汚染された地域の回復を図ること―を強調しています。
国にたいしては、「不十分な安全神話だったことが露呈したわけで、政策の不備で生じた放射能汚染災害の責任を取る必要がある」と追及しています。
「提言」は、全町避難を余儀なくされて、福島県内外に離散する町民の生活再建・改善.を最優先に位置づけて、短期目標、中期目標、長期目標を設定。
震災から10年までの復興の道筋を示しています。
短期は、2014年3月まで。避難生活の改善、町外でも安心して暮らせる環境づくり、希望者の低線量地域への帰町の実現を目指します。
中期は、16年3月まで。生活環境の構築、事業再開、就労の実現など町民の生活を安定させます。本格除染、インフラ復旧、医療、福祉、教育、産業などの生活に必要な環境の整備を図ります。
長期は、21年3月まで。住んでいる場所にかかわらず、すべての町民が震災以前と同様に、幸せな暮らしを取り戻し、若者が集まる魅力的な町になるような町づくりを推進するとしています。
帰町するまでの間、二本松市、いわき市、浪江町に役場機能を置き、県内外に離散する町民を集約する拠点として住宅だけでなくショッピングモールや医療機関などが備わった「リトル浪江」(町外コミュニティー)を整備します。
500年先考えて
馬場有 浪江町長
脱原発を明確にしたことは、今までの町の方針を180度転換したものです。時代に即したものとなりました。
未来を担う子どもたちのことを考えると、300年、500年という長いスパンで考えて後世に残す方針転換だと思います。
国や東京電力は、おわびにはくるが、復興についてどう具体的に責任を果たしていくのか少しも見えません。
国と東電は、迅速に進めてほしい。
行政の責任は、町民に寄り添っていくことが眼目で、短期、中期、長期とやれることから具体化していきます。
「しんぶん赤旗」日刊紙 2012年4月2日付掲載
今までの原発誘致から脱原発に180度転換した英断はすごいですね。それは町長だけでなくって、町民の帰りたいという切なる思いがあると思います。
NHKスペシャルでも、浪江町に戻るべきか、県外に移住すべきかの葛藤が描かれています。
特に浪江町商工会青年部の取り組みは特筆すべきものがあります。
故郷(ふるさと)か 移住か ~原発避難者たちの決断~
そういう草の根の運動の支えがあってこその町長の決断なんでしょうね。
「リトル浪江」なんてネーミングがいいですね(*^^)v